徒開

 

*注意*

この小説は自殺を助長するものではありません。こんな見方もあるんだな、ということを知っていただくために書いた小説です。

この小説がきっかけで死なないでください!( ; ; )


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死にたい。


死にたくて、それを実行しようとした時、周りからから声が聞こえた。

「みんなあなたと同じように辛い目に遭ってる。だから、今は辛いかもしれないけど、もう少し頑張ろ!」

「死にたいなんて思うのは、一時的なものだから、今はとりあえず落ち着こう!」

「死なないで。」

「自殺なんてしちゃダメだ!」

何度も何度も自殺を試みようとすれば、必ず止められる。


……なんで?なんで死んじゃいけないの?

みんなに、私の過去なんてわかるわけないのに。みんなと同じだって?人の人生は80億通りあるのに、私の苦しみが本当に分かるの?

死にたいなんて思うのは一時的なんかじゃない。ずっとずっと前から考えてて、悩んで悩んで考えた末の結論だから。

職業とか、住むところとか、結婚する相手は選べるのに、死に方は選べないの?

自分を「殺す」ことだから自殺なんてしちゃダメなの?でも、自分が死にたい、って思ったのは生まれつきじゃない。色んな経験をして、徐々に「死にたい」って思うようになった。これって、自分自身だけじゃなくて、周りの環境も関係してるよね。


あぁ、死にたい。






……それでも、私は、今、ここに居る。

私が今も生きている理由は2つ。

1つ目は、私には大事な家族がいるから。その家族をおいて1人だけ死ねば、家族が悲しむから。人間として、それは本能的に嫌だから。

2つ目は、死ぬことなんていつでもできるから。なんなら今、こうして執筆している自分を、家にある包丁で刺すこともできる。でもそれをやらないのは、まだ、私は死ぬ前にやっておきたいことがある、ということを見つけたから。私のやりたいことは大人になってからじゃないと法律で禁止されていることだし、もし破ったら家族が悲しむ。だから私は後数年、ひたすら時間を待っている。






生きづらければ生きなくてもいい。無理に「生きて!」なんて絶対に言わない。だって私は、死のうとしている人がどんな過去で、どんな境遇で、どんな覚悟で、どんなに辛かったかを知ることはできないから。それを知っているのは、死のうとしている人、たった一人だから。


ーーーでもせめて、この小説を読んでいるなら。







ーーーこの小説を読んでくれて、ありがとう。この小説を読んだ時間分、生きてくれてありがとう。

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