第46話

 日は立ち土曜日。二条さんが遠征に行っている間にショッピングに行くことになった。


「こんな感じでいいかな?」


「うんうん!かわいすぎるよ!!!!」


「じゃあいこっか」


 そう言ってドアを開ける。


「えへへ、デートかぁ」


「デートじゃないからね」


 実姉とデートなんてシスコンじゃないか。俺は断じてシスコンじゃない。


「今日は何買いに行くんだっけ?」


「服とアクセとスマホカバーほしいんだよね」


「ネットでよくな~い?」


「実際に着て確かめたいし。それに...」


「それに?」


「姉さんと二人で出かけたことなかったかな~...って」


 俺はシスコンじゃないけど、姉弟なのに一度も学校以外で一緒に出掛けたことないのはどうだろうというあれ。


「え~!も~だいすき!」


 そう言って姉さんは抱き着いてきた。


「も~、人がいないからって」


「ごめんごめん」


 まあこれがいつものノリなんだけど。

 多分世の女性は姉さんのことを知ったら殺したくなるんだろうなぁ。一般的な男はこんなことしないってネットに書いてたし。


「あの...」


 突然通行人の女性が話しかけてきた。


「なんですか」


 姉さんが冷たく返事する。もっと優しくしたれよ


「ごめんなさい、ハンカチ落としましたよ」


「あ、ほんとだ。ありがとうございます」


 俺のハンカチだこれ。


「いえいえ、では」


 結構おきにのやつだから気づいてもらえてよかった~。


「そんな女の子と気軽に話すのはよくないよ」


「いや別によくない?しかも相手は拾ってくれた側なんだしありがとうぐらい言わなきゃ」


「そういうのからストーカーっていうのは始まるの!」


「姉さんは危機感持ちすぎ」


「奏音こそ持たなさすぎだよ?お姉ちゃん奏音に危害がいかないようにいろいろ頑張ってるんだから!」


「え、そうなの?」


 初耳なんだが。


「奏音を盗撮する輩も一人一人してやめさせてるし、下着泥棒とかも監視カメラ付けて防止してるしほかにも上げたらきりがないんだよ?」


「え...ごめん、ありがとう」


「わかればよろしい!!」






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男女比がおかしい世界で陽キャになりたい! 月乃糸 @rast-one

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