最終話 彼とさよなら…好きでした。

女の直感が当たったように、彼は今住んでいる家を離れて引っ越しした。何処に引っ越しかもいつ引っ越したかも、連絡先を知っているのに彼から、教えてくれることはなかった。サエコは、彼を好きでいるのを諦めた。好きだった……

サエコは、高校を卒業し福祉系の大学に入り大学生になった。入学式、まさかとは思ったけれど…彼も同じ大学に入学してきていた。なんという巡り合わせなのだ…神様って残酷なことするんだねって思った。彼のお母さんとサエコのお母さんは仲がいいのでご飯食べに行こうという話になった。当然、彼もついて来る…美味しいご飯食べているのにも関わらず、喉が通らない。はやくこの場から離れたい…それしか思わなかった。

あれから…日が経ち大学入学して半年が経った頃、サエコが仲良くしていた女友達と彼の友達が混ざって仲良く交流することが増えた。当然、彼もその中にいる。サエコは、それが耐えられなかった…

こんなにも好きだった、そしてつい最近好きになるのを諦めた人と、またこうして彼と顔を合わせる機会が増えるのかと思ったらサエコは辛かった。

そんな理由もあってサエコは、大学1年生で大学を退学した……

月日が経ってサエコは立派な社会人になり、今でも福祉系の仕事をし働いている。

さよなら……今までありがとうとサエコは思った。


       (完)

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儚い恋 @ayakankan

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