第3話「マッコリ」
当時、世間ではミクシィというものが大変流行っておりました。
あいにくと機械に疎いワタシは触っていなかったのだけど、幼馴染の新しモノ好きな友人Fクシマくんが頑張って使っていた。
そんな彼からオファーがあった。
『ミクシィやってる中学ん時の連中で飲みに行くけど男の比率が少ないから来ておくれ』と。
こういうのにホイホイ参加するタイプでは無かったが、昆布も来ると聞いてホイホイ参加した。
そして二度目の初恋に落ちる。ホイホイと。
本当に軽い気持ちで、大人になった昆布はどう育ったかしらん、と、この目に出来れば良かっただけだったのだがもうあっさりとあっという間に落ちた。
マッコリを飲み頬を染めた昆布が可愛すぎたのだ。
しれっと隣に席移動し、マッコリ飲んだことないからちょっと飲ませて、などと言ってのけたワタシは本当にどうかしていたのだろうと思う。
けれどワタシには当時お付き合いしていた女性もおり迂闊なことは出来ない。
きちんと手順を踏もうと、後日ワタシは当時の彼女に正直に伝えてお別れして頂いた。本当に申し訳ない事をした。
しかしこれでワタシは自由。ノーガードの玉砕覚悟でバンザイアタックを敢行。
無事に付き合い始め、幾度もデートを重ねる。
そしてバンザイアタックから三ヶ月後の昆布の誕生日にプロポーズをかます。
それも海の見えるロケーションでプロポーズをと画策しつつも、当日、六甲アイランドのどこから海が見えるか分からぬままに車を走らせタイムアップ。
夕食を予約していたホテルに着。
ならば夜景の見えるレストランでプロポーズをと思いつつも隣の席によく喋るうるさいオバチャンがいたらどうしよう等と不意に不安が頭に
結果、なんのロマンティックさもない地下駐車場でプロポーズをかますハマハマ! 功を奏す!
『なんでこんなとこで』とケラケラ笑う彼女はこっくり頷いてくれたのだ。
と、こうしてワタシは初恋を実らせ生涯の伴侶を得た訳だが、結婚後十数年、未だに昆布への愛は衰えを知らない。
なんならその勢いを増している様に思う昨今である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます