政略結婚のために嫁いだら女装のトンデモ王子でした!

西条ねむ。

第1話 わたくしが政略結婚?!

「お父様!いったいどういうことですの?!わたくしに何も言わずに、、、結婚などと、、、!」


ここはローレンディア王国のとある宮殿。

王女のララの声が宮殿内の王座に響きわたる。


父の皇帝であるハサウェイ、齢は60歳といったところか。白髪や髭を右手で押さえながら、ため息をついてこう言い放った。


「ララ、お前の気持ちもよくわかる。だが、我々は1人の人間であると同時に、王族だ。」


金髪のロングウェーブの髪、茶色の瞳を見開かせて、ララは思い切り叫んだ。


「嫌よ!絶対に嫌、わたくしはまだ18になったばかりなのよ!わたくしはこのローレンディアを継ぐと決めて、帝王学を習ってきたわ。それなのに、、、!なぜ他国へ嫁げと!?お父様!」


ローレンディア王国には、男子のみが王位を継ぐといった決まりはない。過去には女帝もいた。


ララは幼い頃から勝ち気で、なんでも卒なくこなし、向上心の高い娘であった。父の背中を見て育ち、大国ではないながらも、良君と呼ばれた父を尊敬し、決して王座にとどまることなく、剣術から数式、語学の勉強と国を背負ったときのために、ありとあらゆる努力と勉学をしてきた。


「ララ、相手はこの世界で一番強国と呼ばれるルシアナ王国の第一皇子、ユキフェルだ。名前くらいは聞いたことがあるだろう?」


名前と国を聞いて、ララは凍りつく。

ルシアナ王国といえば、非道な戦争や策略を仕掛けては国を広げてきた確かにこの世では大国ナンバーワンといえる国だ。そのルシアナ王国の皇帝はさることながら、参謀として第一皇子のユキフェルが切れ者であり、その作戦をことごとく成功させてきたと噂されている。


勘のいいララは、違和感をためらいなく父にぶつけた。


「ただ、、、お父様、、、?少し気になることがあるのです。聞いてもよろしいかしら?」



「なんだ、ララ。まあいろいろ学んできたお前のことだ、言いたいことはわからなくもないが、、、」


ララはまっすぐ父の目を見つめて言った。


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政略結婚のために嫁いだら女装のトンデモ王子でした! 西条ねむ。 @kawarunao2024

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