『月雪とのさばりけらし』

ヒニヨル

『月雪とのさばりけらし』

窓越しに

一面の雪の原を

見つめていると、


360日と少し

ひとときでも、共に過ごした

大切な人たちの

姿が浮かぶ。


わたしは

春にはただ桜よりも団子を想い、

夏にはただ涼しい部屋で

作り物を書いて、


秋には年を重ねたせいか

脆弱な身体に泣きながら、

冬が始まると

男女のあれこれを妄想していた。


夜空を見上げる事も

少なくなったけれど


年の暮に

雪原に浮かぶ月を見て

思わず微笑んでいる。



     Fin.





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『月雪とのさばりけらし』 ヒニヨル @hiniyoru

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