ツインズソウル2 ~怪盗ナバーロと封魂結晶~ / ふむふむ 様
作品名:ツインズソウル2 ~怪盗ナバーロと封魂結晶~
作者名:ふむふむ
URL:https://kakuyomu.jp/works/16817330659041147313
ジャンル:異世界ファンタジー
コメント記入年月日:2023年10月4日
以下、コメント全文。
初めまして。
この度は『自作品への意見や提案がほしい方へ』企画にご参加いただき、ありがとうございました。主催者の島流しにされた男爵イモです。
ひとまず、キリのいいところまで拝読致しました。
ここまで読んだ限り、場面としての滑り出しは良好といった印象です。獣人の怪盗を題材にした物語ということで、動物的な要素とスリリングな逃亡の両面から、場面が描写されていたように思います。文体も安定していて読みやすかったです。文法的な誤りや、目立った瑕疵もありませんでした。読者層としては、中高生やそれ以下をターゲットにされているのでしょうか。ルビ振りが丁寧で、読者への配慮が為されていた印象です。
気になった点は一つ、作品のオリジナリティについてです。
拝読した範囲に限定した話ですが、あまりオリジナリティは感じられませんでした。既存のアイデアを既存の計算方法で組み合わせて、文字に起こした感が否めません。既視感があり、どこかで読んだ話の域を越えない。不躾な物言いで申し訳ないですが、作品の中身が空虚でした。なまじ構成や文章がこなれていたので、かえって物語の希薄さが際立ってしまったのかもしれません。ですが、これらの指摘の大半は「私が前作の内容を知らないから」ということに収斂するでしょう。
とりあえずそれは置いておいて、「この小説を一つの作品としてみた場合」という前提で話を進めます。まず、オリジナリティについては「唯一無二のもの」である必要はありません。あくまでも「この物語だからこそ表現できた」、「この作品を作品たらしめる売り」であれば構いません。序盤で、それらの足掛かりを記しておくことが重要です。長編ならば冒頭1~2万字の中に。本作なら「猫獣人の兄弟の関係性や哲学、流儀」、「なにを読者に伝える作品なのか」ですね。これらの要素が匂わせ程度でも序盤に盛り込まれていれば、それは一つのオリジナリティといえるでしょう。長編は冒頭の使い方がミソになるので、世界観や人物、作品のテーマをできるだけアピールすることをオススメします。
以上になります。
少し批判の色が強くなりましたが、本作に少なからず魅力を感じたからこその批評として受け取っていただければ幸いです。
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