第4話新年会

兼古はいい仕事をした。いつもの若者に加え5人の男女が、新年会に参加すると言う。会費は3000円。不足分は有友が支払う。

それだけ、給料がいいのだ。

オジサンは有友と山崎だけ。

山崎は、同じく同期の椛山かばやまと言う女性を誘った。


1週間後、お食事処「みち潮」で、新年会は始まった。

若者らは、キャピキャピ喋りながら飲んでいる。有友、山崎、椛山はビールを飲みながら、刺し身をつついていた。

兼古らは、有友、山崎の良さを強調していた。

山崎の息が臭いとある女の子が言った。

それに加えて、有友は目が人を小馬鹿にしていると言う。

それを聞きながら、有友らはニコやかに飲んでいた。


兼古が呼んだ若者は、正社員では無く、派遣会社の派遣社員だった。

有友と山崎の意見は一致した。

派遣社員は切ると。

だが、椛山が、まぁまぁと2人をなだめていたが、椛山は厚化粧でケバいと言う声が聞こえると、

「あんの、クソガキ〜」

と、瓶ビールを逆さに持ち上げ暴れようとしたら、2人のオッサンが椛山をなだめた。


有友は兼古を呼びつけた。

「あいつら、来週、クビな」

「えっ、どうしてですか?」

「派遣社員なのに、そこの上司や先輩の愚痴を言うなんて100年早い」

兼古は必死に謝り、今後は呼ばないと言ったので、オジサン、オバサンは我慢したが、部署はクレーム処理課に飛ばした。


飛ばされた若者は半年も持たず辞めて行った。

クレーム処理課長は椛山なのだ。

若者と飲むのって難しい。

だから、もう、身内だけで飲む事にした。

実際は、山崎の息は臭くないし、有友は人を小馬鹿にしないし、椛山は厚化粧ではない。

若者の基準が分からない。

いい歳こいたオジサン、オバサンが若者と飲む事に抵抗を感じ始めたのはこの飲み会からであった。

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羽弦トリス @September-0919

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