あなたの書いた作品の主人公たちは、その世界を楽しんでいますか?

にがりの少なかった豆腐

登場人物は楽しんでいますか

 


 異世界、現代や過去。はたまた宇宙や未来。


 小説の中にはいろいろな世界が広がっていますね。


 その中に登場する登場人物たち。

 物語を進め、盛り上げるための大事なピースです。


 物語の展開もそうですが、主人公やヒロイン、その他の登場人物たちによって、その物語の面白さは変わってきます。


 ゲームが大好きな主人公。

 今まで人生の底に居た主人公。

 最初から最強であった主人公。

 おとぼけで周りを振り回す主人公。


 いろんな主人公が存在しますね。そしてその物語の登場人物たちもいろいろな人たちや存在たちがいます。


 しかし、その登場人物たちはその物語の中で楽しめていますか?

 ずっと苦境に立たされて、ずっと嫌な思いをし続けていませんか?

 つまらなそうに物語の中に立っていませんか?


 最近、小説を書いていて私はふと、私が書いている小説の主人公たちは楽しく過ごしているのだろうか、そんなふうに思いました。


 物語の中で楽しそうに遊んでいる人たちを見て、読者も一緒に楽しい気持ちになれるものです。


 一時的な苦境などは物語のスパイスとして豊かな刺激になりますが、多すぎれば痛みに変わります。


 苦境からのレベルアップは物語の王道です。

 辛いことがあって、それを乗り越えていく登場人物たちにワクワクしたり、感情移入したりするのです。


 しかし、ずっとそのような展開が続けばワクワクもありませんし、感情移入もし辛くなります。


 ホラーやミステリーのような主人公たちが不幸に襲われるような物語であればそれでいいと思いますが、それ以外の物語で主人公たちがずっと楽しそうにしていないのは読み手からすると、どう思うでしょう。


 私が読み手であればそんな物語はつまらないと思うでしょう。


 どんなに壮大なストーリーであっても主人公たちが楽しそうにしていなければ面白いとは思えないでしょう。


 つまらなそうにその場にいる人に興味が引かれないように、辛そう、つまらなそうに、楽しくなさそうにしている主人公たちに感情移入をするのは難しいのです。


 ただ淡々と物語の流れに任せて進んでいく主人公たちも見ていてあまり面白くありませんよね。


 やっぱり読み手としては、わいわい楽しそうにしている主人公たちがいいですよね。


 自分は楽しいと思っているのに隣のひとが何を考えているかわからない表情でいたら『なんだ、この人?』と思うように、つまらなそうにしているわけではないが楽しそうにもしていない主人公を見て面白いと思えるでしょうか。


 私は思えません。


 主人公のサクセスストーリーであったり、

 王道のファンタジーであったり、

 ダンジョンの中を攻略する物語であったり、

 学園内で恋愛をする物語であったり、

 ちょっとエッチな展開がある恋愛ものであったり、

 同級生とゲラゲラ騒ぐようなコメディだったりギャグであったり、

 ゲームの中でいろいろなモンスターを倒す物語であったり、

 貞操逆転世界でハーレムを築くような物語であったり、

 のんびり過ごすだけの日常物の物語であったり。


 どの物語でもその中で楽しそうに動いている登場人物たちがいるからこそ、その物語が魅力的になるのです。


 現実でも楽しそうにしている人たちを見るとこちらも楽しくなってくるように、物語の中に存在している主人公たちにも同じことが言えるのです。


 面白い展開、想定外の展開、王道ながらワクワクする展開。

 ストーリーも確かに重要ですが、その物語の中で過ごす登場人物たちもまた重要な存在なのです。


 そのことを忘れてはいけません。


 あなたの小説を読みに来ている読者の方たちは、嫌な思いをするために小説を読んでいるわけではないのです。

 ワクワクしたり楽しそうにしていたり、苦境を乗り越えて笑顔になっていたり、物語の中で生き生きと動いている主人公たちを見に来ているのです。



 あなたの物語の中で登場人物たちは楽しく過ごしていますか?


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あなたの書いた作品の主人公たちは、その世界を楽しんでいますか? にがりの少なかった豆腐 @Tofu-with-little-bittern

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