825
阿南
第1話 プロローグ
世界はもう荒廃してしまった。
ロボと人間の長い長い戦争はロボの勝利で終わりを告げた。
100年前には地球と呼ばれた星。
50年前に起こった人間と人間の戦争。
アレリヤ王国と世界連合の戦い。
50年前大国アレリヤは大統領に就任したシームレス。
まず、シームレスは隣国であるクレオ共和国に一方的に攻撃し、
宣戦布告したのである。その戦争は大国アレリヤの前にクレオは
なすすべもなく、わずか5日で首都は陥落し、クレオ共和国は
アレリアの占領地になった。この流れは続き、アレリアは隣国を
次々と攻撃し傘下に治めていったのである。
わずか、1年の間にアレリアは6つの国を傘下に治め、世界最大の大国である
ワグナー及び共和国連邦以上の領土と軍事力を持つことになった。
アレリアのシームレスの悲願はワグナー及び共和国連邦(通称ワグナー連邦)を
傘下に治め、敵対する国を排除することであった。それにより、アレリアによる
世界統治が現実的にもなってくるのであった。
しかし、ワグナー連邦も黙ってはいなかった。次は自国が攻撃されるのは誰でも
わかる状況だった。
ワグナー連邦はアレリアを滅亡させないと世界は荒廃してしまうと考え、アレリアに対し、世界連合軍で戦うことにしたのである。
その世界連合軍に参加した国は50。アレリア7国である。
世界はアレリアを許さなかったのである。
アレリアとワグナー連邦を中心にする世界連合(通称世界連合)の戦争は力の差が
歴然だった。あっという間にアレリア傘下の6国は世界連合により解放され、アレリア国内まで戦火が迫ってきたのである。
もう、どうしようもなくなったアレリアのシームレスは、研究をしていたロボット兵を投入することにしたのである。無論、まだ未完成であり、兵で出すようなものではない状況ではあった。
ロボット兵は800ほど、投入され、世界連合を1年で壊滅に近い状況まで追い詰めた。
アレリアの大勝利になるかと思われたが、ロボット兵を開発したハウス博士の失態に
より、ロボット兵は「敵は我々以外すべて」と命令され、ロボット兵は対世界連合
ではなく対人間に対して攻撃を開始したのである。
それから、48年がたち
最後まで抵抗していた旧世界連合の本部も壊滅し、人間による統治は終わりを告げた。
48年たった。およそ800体と言われたロボも長年の戦いによりほぼ壊滅し、
現状は数体しかいないといわれている。
ロボは電力を得ることにより、活動しているわけであるがその電力も街を破壊つくし
得ることができなくなりロボも自滅の道をたどったのである。
生き残ったロボは数体、番号は825まであるといわれている。
800番台は人間と酷使しており、見分けもつかないといわれている。
現在、世界は小さくなり、生き残った人間は独自に街を形成し、生きている。
国というものはなくなり、日々生きることで人間は精一杯になっている。
荒廃した世界に未来などはなく、希望もない。
生き残った人間とロボのお話である。
第2回に続く
825 阿南 @anantaro
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