宴破り

 吞ん兵衛の父と酒豪の祖母の血を受け継いだのか、そこそこ飲めた鳥尾巻。(最近はその限りではない)


 お酒を飲める年になると、飲み会の噂を聞けば潜り込み、酒宴成分を浴びます。男子が多く集まる飲み会では、女子はほぼタダだったので、少ない会費で元を取りまくりました。

 中には、女子を潰してお持ち帰りしようとする不埒なヤカラもいたので、とりあえず返り討ちに。


 ある日、死屍累々ししるいるいの会場を後にすると、外で残党にとっ捕まりました。馴れ馴れしく肩を抱き、ぐいぐい顔を近づけて、酒臭い息を吹きかけてきます。


「ねえ、彼氏いんの?(はぁはぁはぁはぁ)」

「……いたとして、お前に関係ある、かよっ!!」


 筋トレが趣味で口と態度と足癖の悪い若者だった私は、残党の金的を狙って足を振り上げておきました。

 後ろも見ずに立ち去ったので、ちゃんと狙い通りに当たったどうかは定かではありません。しかし、それ以降、酒を飲む場で彼に出くわすことはありませんでした。


すまん。

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