狂乱の宴

 学生時代は絵を描いていた鳥尾巻。

 芸術を志す者が全員以下の文章のようだとは限らないと先にお断りしておきます。


 若い時分には、比較的自由に過ごせるものですから、飲み会も頻繁に開催されました。そこには様々な嗜好を持った人物たちが集まります。酔っ払いは理性の手綱がゆるくなるのはご存じでしょうが、程度があると思います。


 酔うと裸で椅子になり続ける男。酔うと赤い紐を持ち出して緊縛 (亀甲縛り)を誰彼構わず迫る女子。無駄に手先が器用で、ロングの極太魚肉ソーセージを精巧な男性器に模して彫り上げ「肉鞭!」と叫びながら振り回す女子。「ロリータ」を延々と朗読する男。


 SM界の巨匠・団鬼六、三島由紀夫と澁澤龍彦などに激賞された、沼昭三のSMSF小説「家畜人ヤプー」、ウラジミール・ナボコフに影響された男女の狂乱の宴。


 私は、自分に紐と肉鞭の被害が及ばぬように避けつつ、他の仲間と共にゲラゲラ笑って、その宴を肴に酒を飲んだものです。


 酔っ払い。見ている分には面白い。

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