第3話

塊の肉をレンジで解凍させる。

レンジの光がオレンジ色にぽっと光り、心なしか俺の思考を歪ませる。

今はまさにぐちゃぐちゃで、真っ黒い塊が腹の底にどすんと沈んでいくような、なんとも言えない感覚に陥る。

(あーもう…無心にさせてくれよ)

まだ容赦なく(?)当たっている彼女の胸をやんわりと避ける。

彼女の女性らしい香りが余計俺の思考を妨げる

「あの…さ、向こうで待っててくれねえかな」と俺はソファを指差す。

「えー、そばで見ていたいけど…わかった」

すこし頬を膨らませ彼女はソファにぽすんと座った。

なんでタメ口なんだよ…と少しモヤッとしつつも

俺は豚の角煮を作るのを再開させた。


私は自分の爪の剥がれかけている

ネイルを見つめた。

「あともう少しだったのに…ざーんねん」

人の首を絞めてる時が快感を得られる

リョナラーという特殊性癖

これを活かせる職業なんて無いと思ってた。

もしも、その一線を超えてしまったら

…それだとつまらない

ただの人形遊びだ。

超えたいとは思わない。

整った顔が少しずつ歪んでいくのが凄く興奮する

元カレにやってしまった…

はぁ…。

待つのは苦しい

苦しくて、退屈でしか無い

ネイルを塗り直したいが

修一の家なので、当たり前だがない。

修一に呼びかける

「ねえー…しゅうちゃん、豚の角煮どれくらいで出来るの?」

この男、人たらしなのに

なびかない。ずるい。なんかむかつく。

「だいぶ時間かかるけど…どうした?」

「ちょっと買い物したくて…」

こちらを振り向いてくれない

この男を落としたくて彼に着いていったんだった。

彼の背中に胸を押し当てて

耳元で囁く

「ショッピングしてくるね♡」

耳を赤らめながら、その服で行くのか?って

せめてスウェット着てけとスウェットを出してくれる。

「サイズ大きいけど、それよりはマシだろ」

「ありがと!!」

大きい背中に思い切りハグをして

自分の財布とスマホを掴んで彼の家を出る

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寒空の下、人間を拾いました サムギョプサル近藤 @hukuko

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