第3話初めての村


エルドと旅を始めて大体3日が経った

現在はエルドの案内で近くにある村に向かっている

エルドの話ではこの森を突き抜けるのが早道らしいため道中の魔物を勇者が斬り捨てる様子を後ろから見ながら着いている


(勇者よ…何故一撃でヒュドラを殺せるのだ……)


勇者の規格外さを再確認しながら歩いていると森を抜けることが出来た


「あれ…村」


エルドが指を差した先には小さな盆地が広がっておりその中に小さな集落が見える


「あれか、人に化ける…少し待て」


「んっ」


魔法で人の見た目になり服装は魔法で作ったフルプレートの鎧とフルフェイスの兜を被り槍を片手に持ちタグトは人間に変装する


「どうだエルド?」


「違和感なし」


エルドは親指を立て村に向かおうとする


「エルド、待て」


「?」


エルドはいきなり引き止められる首を傾げる


「お前の鎧ボロボロだな」


「どっかの魔王のせい…」


「誰のことだか…その服装だと怪しまれるぞ」


勇者の着ている鎧は国が全身全霊を賭けて作り上げだ対魔王用の軽鎧でありボロボロになった今でも神々しいオーラを放っているためその格好のままでは怪しまれてしまうだろう


「聖剣とその鎧を脱げ」


「タグトのえっち………」


エルドは顔を赤らめながら小さく呟く


「!?」


エルドの爆弾発言によりタグトの思考はフリーズどころか消し飛ぶ


「ち、違う!そういう事ではない!!!」


「冗談…タグト慌て過ぎ……」


エルドはいつものポーカーフェイスに戻り早い手際で鎧と聖剣を外し空間収納魔法に仕舞い予備の剣と鎧と服を取り出す


「タグト…着替えるから後ろ向いて」


「あ、ああ」


次の瞬間背後で ごうっ と言う音と共に風が吹く


「タグト…もう良いよ」


後ろを向くと先ほどよりは質素な鎧と剣を装着したエルドが居た


(着替えるの速いな……)


「エルドこれも着ておけ」


タグトは空間から黒いウィザードコートを渡される


「これは認識阻害の魔法が掛けてあるこれを着て置けば知り合いに会っても多少は誤魔化せる筈だ」


「分かった」


「よし…村に行くぞ!エルドォ!!!」


何故か覚悟を決めたようにタグトは深呼吸をする


「テンション高い…?」


いきなり走り出したタグトの背中をエルドが追いかけエルド達は村の入口まで着いた


「こ、これが村……素晴らしい!質素で素朴で適当に作られた門、これが村クオリティ……!」


タグトは興奮気味に早口で村の門を評価する


「そこのあんちゃん達村に入るのか?あと侮辱するか褒めるかどっちかにしな」


門番の男らしき男が話しかけてくる


「あ、ああ村に入りたいんだがどうすれば良い?(棒読み)」


慣れない演技で台詞を棒読みするタグトの横には思わず噴き出しそうになりポーカーフェイスが崩れ掛かっているエルドが居る


「村に入りたかったら身分が証明出来る何かか銅貨1人三枚だ」


「後ろの連れの分も含めて銅貨六枚だ足りるか?」


門番は渡された銅貨を数える


「ひーふーみ…よし…六枚あるなようこそ!ブツト村へ!!!」


「そうだ…門番俺達は身分の証明出来るモノが欲しいんだか何か無いか?」


「身分の証明がしたいならギルトの登録か…役所にいって戸籍を登録すりゃ良い」


「ギルトか…確かあの男もギルトの一員だったな」


「?」


タグトの言葉を聞き取れず門番は不思議そうな顔をする


「いや、何度も無いそのギルトと言うのは何処から登録できる?」


「ギルトなら…この村で一番デカイ建物だぞ!」


「ありがとう助かった」


そう言うとタグトは村に駆け足で入っていった


「変なあんちゃんだったな」


門番は知らない目の前に居たのは世界を恐怖に陥れた(部下の暴走)男である事を……









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魔王、勇者「「提案がある…停戦しないか?」」 五平太 @sukemaru225

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