第9話


「ふぅ~疲れたぁ〜そういえばスキルがレベルアップしてたけど何がレベルアップしたのかな?あとそれとスキルチケットも落としてたな…」


俺は一度スキルを確認するために安全な1層目のスライムの層に来ていた 

足に目茶苦茶体当りしてくるが気にしないでおこう…スキルチケットはホブゴブリンの怪力だそうだ


戦って気づいたが俺はモンスターになるとそのスキルまで使えるようになるらしい現にホブゴブリンを倒すためにポイズンバグの毒粉で攻撃した時毒の粉が出たのが良い証拠だ


「とりあえず使っとくに越したことはないな人間の状態でも襲われたときに対処できなきゃだめだしな…」

これでステータスに反映されてるはずだがどうだ?

「ステータス!」


ステータス

『ユニークスキル』

・怪物化Lv2

『スキル』

・体術Lv2

・悪食Lv2

・怪力Lv1

ちゃんと習得したようだな…

レベルアップしたのは怪物化と悪食か…

結構使ってたもんなぁ

ポチッ


怪物化Lv2:倒したモンスターになれモンスターの一部を再現できるようになる


悪食Lv2:さらに普通では食べられないものでも食べられるようになる


悪食はそのまんまって感じだが怪物化の方はもしかすると人間状態のまま戦えるかもしれないな…

よし!そうとなれば一回使ってみるか!

モンスターの一部と言うことなのでポイズンバグの羽を再現してみる

「怪物化」

ズゾゾゾ!

そうすると服ごと変形していき自分の背中に

羽が生えてきた

どうやら服ごと変形する弊害か上半身は裸になってしまうようだった


「なるほどこんな感じになるのか…サイズはなんか自由に変えれるっぽいな、便利なもんだな…」


そう言って羽を開いたり閉じたりしてみる…

なんかこれも不思議な感覚だなまぁ…そもそも普通はモンスターになれないから当たり前ではあるんだがな…それはそうとこれで飛べるか検証だな


今度は高速で羽を動かしてみると徐々に体が浮いていき完全に空中に浮くことができた


「いやこの能力凄くね?」


俺はこの能力を得て本当に良かったと思う

だって空も飛べるしホブゴブリンのような怪力だって使えるさらにはウルフのような獣になってモンスターを食い千切る快感を得ることだってできる。なにコレ最高じゃないか!

初めは意味わからないスキルだと思ってたし人間辞めるのはどうかとか思ってたが…

これほどとは思いもしなかった

しかもまだまだダンジョンは沢山ありモンスターも色んな種類が居る。モンスター図鑑が出来あがるほどにモンスターは数多く存在する

そしてその全てのモンスターに俺がなることができるようになったら?それはもう最強なのではないか?


唐突に武者震いがした。俺は確かに強くなろうとは思っていたが最強は無理だろうとどこかで諦めていた…だがこの能力があれば最強になって目茶苦茶稼ぐスーパーイケメンお兄さんにになれるのではなかろうか?

「決めた!俺はこの世界で最強を目指す!」

俺はここに来て初めてちゃんとした夢を持つのだった

「そうと決まれば早速狩りにと行きたいところだが…今日はもう遅いしこれぐらいにするか

それに、妹の手料理が食べられなくなるのは勘弁だからな!」

         ☆☆☆

いつものようにダンジョンから出て受付へ向かおうとダンジョンの馬鹿でかい門をくぐる

そこにには狩り終えた冒険者が受付嬢の前にズラッと並んでいるのが分かる。

いくら魔道具があれどあの量を換金するには大変だろうなぁ…と他人事のように思いながら俺もその列に並んだ…


ダンジョン外には飲食店もあるため狩りが終わった冒険者がそこで飲んだり食べたりして喧騒を作り出している

俺も早く帰って妹の料理を食べたいなと思っているといつの間にか自分の番になっていた

「これを換金してください」

そう言って袋からホブゴブリンとポイズンバグ

のドロップ品を出した

「これはホブゴブリンですか?それに解毒剤も…」

ショートカットの受付嬢は少し困惑と驚いた顔が混ざったような顔になり俺に質問してきた

「失礼ですが貴方はまだ確かEランクでしたよね?」

「はい、そうですよ」

何かまずいことしたっけな?

少し不安になってきた


「まだEランクなのに5階層に行ったのですか…あなたにも冒険のし過ぎには注意してくださいと言いましたよね?」


受付嬢は冷静なのか怒っているのかよくわからない表情で言ってきた


「あ、そうでしたね…すいませんついここで引                                         き返したら負けかなと思ってしまって…あとスキルもあったし大丈夫かな?と思っていってしまいました」


「ハァ…いいですか?確かにスキルは強力ですが万能ではありません、冒険者は危険な職業です。それを一日、二日3、4層に行けたからと行って5階層にいくものではありませんそうやって死んだ人を何人も見てきましたから…」


その言葉に言いしれない重みと受付嬢だから分かる苦しみが紛れていた


そして同時にこちらのことをとても心配してくれているのがわかった


「なのでこれからは気をつけてくくださいね?」


「わかりました…善処します…」


「それ分かってないやつですよね?本当に死なれては困るのですからちゃんと装備を整えて強くなってから挑んでください後危ない時はすぐに逃げてください分かっているとは思いますがモンスターは基本自分の階層から出ることはできませんからね」


「分かりました…」

ごめんなさい!多分また無茶します!


「あんまりわかってないようですがまぁいいでしょう…換金ですが…」


そうやって俺の一日が過ぎていくのであった…
















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本物の怪物と呼ばれるまで… 渾沌 @manjyusyage2

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