第9話 イフリート、勇者パーティに愛される

翌日。


俺はベッドの上で目覚めた。


なぜか賢者のように賢くなったような気がした。

なぜだろう?


そして、レイを連れてキゾーク邸を出ると庭でイキシアと落ち合った。


「おはよーっちゅ」

「私服かわいー」


俺がそう言うと照れたような顔をするイキシア。


意外と褒められるのには慣れてないのかもしれない?


「ところで、その"ちゅっ"ってのは口癖?」

「えーっと、ネズミの時の期間長すぎて染み付いてるだけでちゅ」


要は口癖のようなものらしい。


「そんなことよりスマホ契約に行きまちゅ」


イキシアに案内されて街を歩いていたのだが聞いてきた。


「今日はテンション低め?」

「今日はなぜか賢者のような気分なのさ」


太陽を見ているとなぜか、この世の全てを理解したような気分になってくる。


そして俺は涙を流した。


「神よ。なぜイフリートという男は生まれたのでしょう?」

「急にどうしたっちゅ?聖職者でも目指すの?」

「目指すとしたら性職者」


そんな会話をしていた時だった。


「ねぇ、君かわいいね」


チンピラがイキシアに話しかけていた。


「はぁ?」


ジロっ。


目を細めて睨みつけるイキシア。


「見て分かんないかなー?今彼氏と歩いてるんでちゅけど?邪魔。消えて」

「す、すみませんでしたー!!!」


走って逃げてったチンピラ。


「彼氏って?」

「もちろんイフリくんのことっちゅ〜♡あ、ごめんね。勝手に彼氏にしちゃって」

「ノープロブレムっ!」


俺はそう言って街を歩いていった。


そして、携帯ショップに入ってった。


(マジであるんだな携帯ショップ)


王都にはこんなのがあったんだなぁ、とか思いながら俺はイキシアに付き添ってもらいスマホを契約することにした。


「カップル割使っちゃおうよ♡」


イキシアの言葉に店員は答えた。


「お似合いですね」


笑顔を浮かべながら対応をしてくれた。


それから俺とレイの分のスマホの契約が終わった。


それで俺の手にはスマホ。


「さっそく連絡先交換しよっ」


イキシアがそう言ってきた。


「ほらっ。見てイフリくん。私イフリくんだけ登録するために他の連絡先全部消したよ!」

「あ、あはは、そうなんだ」

「あ、でもイフリくんはそんなことしなくていいからね?私束縛強くないから」


ちょっと前風の噂で聞いたイキシアという女の子のイメージとはかけ離れているような気がしたけど。


(ちょっとヤンヤンしてる?)


でも、巨乳でかわいいのでおーけーです!


用事も終わったので帰ることにした。



「ドスケベ勇者いるか?」


ガンガンガン。

勇者の部屋を叩くと中から勇者が姿を表す。


「なんだ?」


巨乳勇者が出てきた。


その時。

フラッ。


イキシアが倒れた。


勇者はそれを見てこう言った。


「あー。気にしなくていいよこれ。心配もしなくていい」


そう言ってくる。


「持病だから」


彼女は俺たちを部屋に入れてくれた。


「私のベッドにイキシアを寝かせるといい」


寝かせると詳しく話を聞く。


「持病って、なんの?」

「イキシアはたまにそうやって体が動かくなるんだよ」


そう言いながらゆっくり椅子に座る彼女。


「元々ネズミと人間のハーフだからな。その子。体力は人間程は無いのに、動くから直ぐにバテる。数日放置しとけばまた復活するよ。話は聞いたが昨日は人間とネズミの姿を行き来したんだろ?それの疲れが出てるだけ」


そう言われ昨日のことを思い出した。


あー、たしかに言ってる通りだ。


その時だった。


ガシャンガシャン。


廊下から鎧の音が聞こえて扉が開いた。


「リーダー。すまない、今起きたところだ」


昨日俺がおっぱいに顔を擦り付けた赤髪の女が立ってた。


俺を見て頬を緩めた。


「昨日は世話になったね」


やばい。

昨日顔を擦り付けたことを怒ってるんだろうか?


そう思っていたら女は鎧を脱いでおっぱいを見せてきた。


「揉みたい?」


「??????」


頭ん中真っ白になった。


揉みたい?

俺、今なんて言われた?


「なんだ、揉まないのか?昨日は私のおっぱいに顔を擦り付けていたから揉みたいのかと思ったが」

「揉みますっす!」


俺が近寄ると両手で抱きしめてそのまま谷間を押し付けられた。


(もがもが)


「ふふふ、可愛いなぁイフリくんは♡」


そのまま俺の耳元で囁いてくる。


「舐めてもいいよ?命の恩人?」


俺はいつ命の恩人になったのか分からないけど、ぜひ、この極上の料理を味わおうと思う!


べろべろべろべろ。

Fooooooooo⤴︎


最っ高!


で、俺この時に思ってた。


(この勇者パーティやべぇなぁ。巨乳で魔性の女しかいなくない?!)


そう思っていたら勇者が口を開いた。


「そういえばイフリート殿」

「ん?」


おっぱいから顔を離して勇者の顔を見た。


「さっそくの事であなたには申し訳ないが勇者パーティとして新たな任務が来ている。さっそく一員として動いて欲しい」


彼女がそう言った時ベッドの方からポンと音がなる。一匹のネズミがいた。


「ちゅー」


俺の頭に乗ってそのまま眠り始めた。


「充電中って感じだけど離れたくないみたいだなイフリート殿から」


赤髪がこう言ってきた。


「可愛いでしょ?イキシアは。そうやって懐かれるともう溜まらないんだよねぇ。ネズミモードでも女の子モードでも可愛いって犯罪的だよ〜」


たしかに。

たまらない!


そこで勇者は咳払いしてから言った。


「あーあ。さっきの話の続きなのだが。ヒンヌという村を知っているか?」

「知らない」


「ヒンヌ火山という火山の近くにある村なんだが、このヒンヌ火山が噴火しそうという報告が届いていてな。これを噴火させないように対処する。これが任務だ。いきなりこんな任務が来るなんて付いてないとは思うが、付き合って欲しい」


そう言われて俺は頷いた。

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