Letter in a Bottle with Love ~SP~
零
第1話
あなたのもとへ、雲は流れていますか
私のことを空に浮かぶ雲のようであると、あなたは言っていましたね。
そのことを覚えているでしょうか。
その言葉を投げかけられたときは、取り止めがないとか、曖昧だとか、腰が落ち着かないとか、定住しないとか、そんなことを言われているのだと思いました。
あの当時の私は幼く、今もまだ若造です。
あなたから見れば、未熟者でありましょう。
けれど、あのときあなたにもらった言葉は、私の中で意味を変えてきています。
今は自ら望んで空に浮かぶ雲のようでありたいと思っています。
何にも縛られず、形を持たず、どこまでも自由に。
どの型にもはまらないということは、どんな形にでもなれるということ。
私はそうでありたいと願っています。
誰の意図にも囚われず、どの地の色にも染まらず、私は青空を行く白い雲。
どこまでも澄んで、どこまでも高く広き視野を以て生きられるように、私はなりたい。
あなたがそれを望んだかどうか、今は確かめるすべもありませんが、今はどうか、私の旅を見守っていてください。
いつか必ず、あなたの元へ帰り来たるその日まで。
Letter in a Bottle with Love ~SP~ 零 @reimitsuki
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