第48話
市長室に一人、ツルギ。
均整のとれた姿がガラス窓を通して街並みを眺めている。以前の肥満に悩んだツルギではない。モデルの話もくるほどの美形に姿を変えたのである。
そこへ、ステファンからの電話。
彼女が話があるので来日すると言うのである。
従兄弟も連れてゆくから時間を空けてというものだった。ステファンに会えると言うだけでツルギの心は明るかなった。
電話を終えるとすぐにユキからの電話。
大規模デモの打ち合わせである。国論は湧き上がっている。こうなるとマスコミは及び腰である。混乱を好まない雰囲気を滲ませながらの報道である。
明治維新は武士が先頭に立ったが今は国民である。革命ではない改革改善の国民運動である。
今の政治形態を壊さずに改善するのである。
全国デモめがけてツルギの所へはさまざまな連絡事項が裁ききれないほど入ってくる。
ユキは冷静に処理してゆく。
いよいよ当日。快晴。
各地方、各都市、市の中心と人々が集まれる場所は埋め尽くされてゆく。
プラカードには意見、要望、ルールを破る公人の名もある。
特に国会議事堂には万の人々がデモ行進をした。全面に押し出された要望、要求は議員定数の半減である。
反対する代議士の名前が大書きされている。
デモの行進は深夜にまで及んだ。
海外の反応は一様に、おとなしい国民のいかりと表現した。他国は皆驚いていると同時に先頭にツルギがいると憧れにも似た表現をした。
これがツルギを世界に押し出すだろう事を世界は予感した。
ツルギ ショーンティン @ikutanka26
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