第47話

議員の心は揺れ動いている。

本人は長年の習性、習慣にどぶ漬けされて完全に良からぬ色に染まっているが心の何処かには座敷の念も潜んでいる。

家族、親戚知り合いから受ける眼差しもいよいよ厳しくなっている。

世間は議員定数半減を改革の第一歩と捉え信じている。

しかし、議員定数の半減は議員自分達の根底を覆すものである。飲める提案ではない。半減ではなく削減の方向で発表しようと言う事になった。

それを知ったツルギは非公式ながら大きく不満を述べた。

ツルギはズルズルと事を行う事は性格に合わない。一気に解決したいのである。

ジーパンに白ワイシャツがその性格が活動的である事を人々は見て取るのである。

ユキをスマホで呼び抗議行動を如何にするかを打ち合わせた。

今回はデモの許可を取り主張を全面に押し立てる事にした。

繋がりのある都道府県の各指導的立場にある人々に連絡をし意見を聞いた。

その結果は全員が前回以上の抗議行動を確実に実行する事を伝えて来た。

日時手順はツルギ、ユキに任せると言う。

この情報は漏れるべくしてテレビ新聞が書きたてた。まさにこのゼネスト様な状態になる事をほっておく事は経済の停滞に繋がり大きな損失だと言う意見が人を納得させた。

だからと言って政治家の言うに任せる事は許せないと心底思う国民は多い。

抗議行動の日は10月X日

 各地の指導者が決める場所、時間

新聞テレビは一斉に国民に伝えた。

国民の多くは未来に希望を持てる様になった。

食料自給率の問題や人口問題にくすぶる様々な問題に光が当たり希望を感じていると言っても良い。

大きく前に踏み出したのである。

当然、国民の頭の中にはツルギが国の指導者としてはっきりと描かれていた。 


国が大きく舵を切る日が近づいている。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る