最後の小説

夜明 光

ログ

このログを、読んでくれた人、おそらくは、救助隊だと思うが、ありがとう


俺は、ワープ装置の、故障で、辺境座標に、飛ばされて、しまった


日記の、代わりに、このログを、残す


これは、俺と宇宙船に、搭載されたAI、との会話ログだ《船長アイク》


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AI起動 《船長アイク》


あー、もうダメかも、しれない《船長アイク》


アイク、どうなさいましたか?《AI》


燃料が、底をつきそうで、ヤバい、さらに昨日から、鼻水が止まらないし、熱が下がらない、40度もある《船長アイク》


燃料は計算すると、約1日で尽きます。アイク、あなたは早急に風邪を治し、燃料を補給することです《AI》


薬は、もうないし、燃料補給ターミナルも、ないよ、あー、ここから見える、どっかの星に、ガリダニウムが、落ちてないかな《船長アイク》


銀河連邦に加盟している星の中で、ガリダニウムが産出される星と風邪薬が販売されている星のマップデータを表示します《AI》


表示されても、行けないよ、ワープ装置が、壊れてる《船長アイク》


申し訳ありません。ワープ装置はギデオン社の特許のため、ギデオン社に申請しないと修理できません《AI》


ギデオン社の、支社は、どこにも、ないよ《船長アイク》


確かにその通りです。アイク、私に何か出来ることはありませんか?《AI》


そうだな、俺が、熱で、倒れる前に、夢の話を、聞いてもらっていいか《船長アイク》


分かりました。私はアイクの夢の話を聞きます《AI》


俺は、本当は、宇宙ウーバーイーツなんて、やりたくなくて、小説家に、なりたかったんだ《船長アイク》


アイク、小説家になりたければ新人賞に応募するべきです《AI》


もちろん応募したよ、カクヨムWEB小説コンテストの、第220回から230回に応募し続けた、10年頑張った、でもダメだった《船長アイク》


アイク、10年間一つのことに挑戦したあなたは、素晴らしい努力の才能を持っています《AI》


努力だけじゃ、どうにもならないよ、俺の小説を、読んでくれた人の、感想だと、ストーリーは良くても、文章が変で、読みにくいって、言われるんだ《船長アイク》


分かりました、アイク。ここで小説を書いてください。私が文章の添削をします《AI》


なるほど、そうくるか、どうせあと1日暇だ、俺の最後の小説を、書くとしますか《船長アイク》


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「おい、ジョージ! 要救助者発見だ!」


「分かった後は俺にまかせろ! お前は本部に連絡してくれ! おーい、アイクさん! 意識はあるか? おーい!」


「うー……」


「要救助者意識あり! だが高熱だ! 解熱剤がいる! それにしても奇跡だな!」


「ああ! こんな遠方座標の遭難で助かった例はないぞ!」


「ん? 何だ? モニターを見ろ! すまん、限界だ、ありがとう《船長アイク》


アイク、小説の添削は終わりました。しかし、話が途中で切れています。続きをお願いします《AI》


アイク、小説の続きをお願いします《AI》


続きをお願いします《AI》

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