【おぶんぐ】ダンジョンに必要なのは文房具です【?】
哀夏🫧🧊
第1話 お文具は勉強道具ですわよっ!?
いつからか地球には、ダンジョンと呼ばれる2次元と3次元の狭間となる場所が現れていた。突然、何も無い場所に出来た魔物の巣窟に人類は混乱し、警戒した。ダンジョンの発現に伴って人間にも【スキル】と呼ばれる特殊能力が発現していた。
そして現代。スキルを活かし、ダンジョンと共生する事を叶えた人類には、【ダンジョン配信】と呼ばれる新たな娯楽が生まれていた。
ここに1人、新たな【ダンジョン配信者】となり、国内どころか世界中に名を轟かすこととなる配信者・田中スバル
「んもー。また同接0人になりましたわ…お巫山戯も大概にしてくださいましっ!」
……お嬢様である。
「人が入ってきてもすぐに居なくなってしまいますわ…やはり、私の配信は見応えがないのかしら?」
現在のスバルの装備は、全くもって地味に見えてしまうのだ。【探索者】としては1番人口が多いと言えるだろう片手剣。それだけなのだ。防具も何も無い。しかも、その初心者向け装備で潜っているのは、深層である。
だがスバルはそれを説明しないので、一般人には上層あたりの初心者配信だと思われてしまう。
「…武器を自分で作るなら、きっとインパクトがどきゃーんと来るものがいいですわよね。」
そう思考しながらも、【スケルトン】(Aランク)を狩っていく。
:スケルトンってAじゃなかった?
:ソロでA相手に無双してるってことか?
:いやCGに決まってんだろwww
「あら、同接数が増えましたわ!まだ5人ですけれども…ごきげんよう皆様〜!下層を攻略しております、田中スバルですわ!チャンネル登録お願いいたしますわ!」
:下層…?
:だからCGだってwww
「CGではございませんわ!私にそんな技術ありませんもの。」
こんな話をしながらもスバルはスケルトンを突破し、下層のボス部屋まで来ていた。
「ほら皆様、もうボス部屋の前まで着きましてよ!!早速突入して行きますわ!」
:緊張感もちましょうや
:お嬢にそれは求めてはいけない
「下層のボスは、皆さんご存知【ミノタウルス】(Sランク)様ですわ。ドロップ品に期待いたしましょう!」
:ドロップ品て毎回同じのちゃうん?
:中層までは全部一緒や。下層からはその時によって変わるらしいで
:謎
:今Sランクて聞こえた気ガス
ドドッドドッドドッ
ミノタウルスなどSランクは、Aランクよりもはるかに強く命を落としかねないので、そこそこ名の売れている大手【クラン】でも、満身創痍になりながら狩るのが普通。
そう、普通。その普通は田中スバルには当てはまらないのである。
「ミノタウルス様は健脚、脚を狙ってもあまり攻撃が効かないのですわ。その代わり…上半身はとても弱いので、脚に気をつけながら上半身を沢山攻撃するのが、効果的ですわ!」
キンッ
ボト
スバルに首を切られたミノタウルスは、頭を落とし、その死体が消えたと同時にドロップ品に変わったのだった。
:はぇ
:なんでお嬢は有名にならんのや…
:↑武器が地味だからか?
:Sランクにソロで挑む狂人がいると聞いて
:ドロップ品は何ぞ
「さあ、皆様お待ちかね、ドロップ品の開封ですわ!」
:どきどき
:wktk
「じゃじゃーん!…あら?」
:何や何や
:何だった?
:…ペンだ
「万年筆…ですわね。」
:え
:なんか特別な効果付いてるとか?
:ん?どうしたお嬢
「…コレですわ!!!!」
スバルは閃いた。このドロップ品【万年筆】と、自身のスキルである【効果付与】。それらを組みあわせた最高の武器のビジョンを。
「そろそろお時間になりますわね。それでは皆様、次回の配信をお待ちくださいませ!ごきげんよう!」
【おぶんぐ】ダンジョンに必要なのは文房具です【?】 哀夏🫧🧊 @saaya_raining_
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。【おぶんぐ】ダンジョンに必要なのは文房具です【?】の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます