第18話 小説が上達するためには

『勇者フルート2・風の犬の戦い」を最終話まで予約投稿したので、久しぶりに創作論エッセィを更新しようと思います。

 1ヶ月半ぶりの更新ですね。


 今日は基本中の基本のテーマ。

「小説が上達するためにはどうしたらいいんだろう?」ということを考えます。


 この場合の上達は、「カクヨム」でのフォロー数や★の数を増やすことや、書籍化するための近道などのことではないです。

 それがわかっていたら私も苦労しません。(苦笑)


 ただ、長年の執筆経験から、小説そのものを上達させる方法はある、と思っています。

 もったいぶって書くようなことでもないのですが、まず大事なことは、これです。

「途中であきらめずに書き続けること」


 この場合の「途中であきらめない」というのは、ひとつの作品をラストまで書き上げるということと、小説を書くことを何年もずっと続ける、ということの両方を指しています。


 ラストまで書き上げれば、小説というものの構造を知っていくことができます。

 ひとつ書き上げてそれで完璧なんてことはあり得ないから、新しい作品を次々書くのが良いし、そのためには最初から大長編なんかに取り組んだりしないで、短めの作品を考えてラストまで書くのがおすすめ、ということになります。


 私は『勇者フルート物語』という大長編シリーズを書きましたが、これを書く前には、読み切りの作品をたくさん書いてきました。

 読み切り作品をまとめる力がないと、長編を書き上げることは難しいです。

 長編を書くというのは、いくつもの読み切りエピソードを、統一した主人公とひとつの時間軸でつなげていく作業に他ならないですから。



 書き続ければ、必ず文章はうまくなっていきます。

 絵を描き続ければ、絵の技術が上達するのと同じことです。

 ただ、自分ひとりで書いていては独りよがりになりがちです。

 だから、次に大事なことは

「書いた作品を公開して、読んだ感想をもらいましょう」

 ということになります。


 これについては、「カクヨム」の書き手さんたちは自分の作品を公開しているわけだから、問題なし、ということになりますね。

 感想は、自分では気がつかなかったことをいろいろ教えてもらえるので、今後の改善につながります。

 まあ、実際にはその感想がもらえないことも多いので、なんとも……と悩むわけですが。


 読み手さんにお願いです。

 感想は書き手にとって本当にありがたい存在です。

 ほんの一言の短い内容でもいいので、読んで感じたことを聞かせていただけたら嬉しいです。



 さて、上達のために大事なことの三つ目はこれです。

「身の回りのことに関心を持ちましょう」

 そして

「それを文章に書いてみましょう」


 ネットやゲームの中のことだけでなく、現実の自分の生活にも目を向けて、考えたり文章にしてみたり。

 日常の中でふと感じたことを携帯のメモに書き留めるだけでもいいのです。

 そうやって言語化したものが自分の中にストックされていくと、小説を書く作業がスムーズになるし、文章そのものも豊かになっていきます。



 上達のために大事なことは、どれも当たり前のことなのですが、一朝一夕には終わらないことばかりです。

 小説を書いていくというのは、そういうことなんだろうと思います。

 あきらめず、へこたれず、ひたすら書いて、完成したら公開して感想をいただいて、改善を考えながらまた書く。

 その繰り返しです。


 そんな私を見て知人が言いました。

「朝倉さんは職人ですね」

 そうかもしれません。

 物書きはより良い作品をめざして精進していく職人で、その道にゴールはないのでしょう。


 それでも書きたいという気持ちがあるから、書く。

 読んでほしいという想いがあるから、公開を続ける。

 その切磋琢磨せっさたくまが小説を上達させるわけだから──


 上達のためになにより大事なことは

「小説を書くのが大好きであること」

 なのかもしれません。



 今回はここまで。

 また何か思いついたら書きたいと思います。



【お知らせ】

王道ジュブナイルファンタジーが好きな方へ捧げる物語

「勇者フルート物語2・風の犬の戦い」はまもなく完結します。

https://kakuyomu.jp/works/16818023212028290435


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