第5話 リモート犯
私が事のなり行きを話すと、流石の他の刑事たちも他殺の可能性を認めた。一度病死として処理された事件だったが、改めて他殺として捜査本部が置かれ調査が開始された。基本的にはサイバー班の任務である。
サイバー班の刑事たちはひたすら犯人の構築した防衛システムを破壊し、犯人に迫っていった。
数日後、彼らはついに犯人のものらしき闇サイトのアカウントにたどりついた。彼らはそのアカウント情報から住所や年齢、性別を特定し、ついに犯人にたどり着いた。
霧 山 壮 師
犯人の名前だ。北海道札幌市に住む37歳男性。彼は札幌市から移動せず、ウイルスとパソコンの画面を凶器として使って横浜市にいる中里を遠隔で殺したのだ。
とりあえず逮捕状は出たが裁判ではどうなるのだろう。刑法はリモート殺人に対応していない。嘱託殺人でもないし自殺教唆でもない。サイバー犯罪としては裁かれるだろうが、きちんと殺人犯として裁かれるのだろうか。
リモート殺人.....
デジタル化・リモート化が進む21世紀、その手は殺人まで伸びている。今後、このような事件が増えるだろう。そうなるとより一層事件捜査は難しくなることだろう。警察の捜査体制も、司法の法整備もデジタル化に沿って着実に進めていかなくてはならない。
―― 終 ――
リモート殺人(短編) アルマダ @galleon
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