『鬼』というのは、そういう種族が存在する……のでしょうか?
中央政権に従わない人々を異端として、話の通じない鬼、化け物として扱う文化は、現実の歴史にあったように思います。
なんであれ一方的に捩じ伏せるとなると、血を見ずにはいられないでしょうね。
作者からの返信
すずめさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
>そういう種族が存在する……のでしょうか?
おぉっと、この時点で問われるとは思っていませんでした。
たしかに史実において、政権に背いた豪族や大規模な盗賊などを鬼や化け物と称した例は多いようですね(両面宿儺とか)。
一般に創作上の扱われ方としては、やはり妖怪(これも実体を持つか持たないかとか分かれますが)としてですね。
で、他に物語に登場するとしたら、仰られたような生き物(熊や狼などの猛獣的な感じで)として。
さて、本作においてはどれでしょうか。まず松尾が鬼を鬼として認識した、巨体や角といった視覚情報に間違いがないことは明言します。
となると盗賊などの置き換えでないのは確実ですが──これ以上は先行きに任せることとさせてください。
>血を見ずにはいられない
その通りですね。文殊丸ら武士たちは、降伏勧告に類することをしませんでした。すずめさんの仰る、一方的に捻じ伏せるしか考えていないということです。
ただ鬼も強いので、多勢に無勢であっても人間の側にも血は流れますね。
松尾の言っていた、みんなで仲良く楽しくとは正反対のお話です。
あ、血が流れると言えば。魔術師的なスキルによって幻影で作り出された物という可能性も否定しておきます。
松尾は荷の量が大人と半分なのを恥じていたようで、子どもながらに甘んじることなく、これから大成すると思いました。近代に至るまでも子どもは働かされるものです。子どもはお勉強をすればいいと言う風潮はあまりなかった。農業をしていればその手伝い、家事の手伝い、弟妹のお守り、普通にあった筈です。私自身ただの昭和の人ですが、家事と弟の面倒はある程度みていました。大学に入ってもなお。アルバイト代も入れてましたし。父母は戦中生まれですが、その話の端々にも一人前に働くと言う文言が出て来ます。松尾の父は父として立派な方です。幼い子に大人と同じ荷を預けなかったのは、生きて行く上でもまだ子どもでいていいのだと言っているように感じました。優しさは父からも受け継いだようですね。さて、後段のアクションですが、状況やべそをかきつつの所で松尾の様子も分かります。遭遇してしまいましたが? どうなるのでしょうね。
作者からの返信
こゆきさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
恥を知るのは人間形成において重要ですね。度が過ぎると卑屈になるので、難しいところです。
私も、と言うと語弊がありますが。中学校へ上がって以降、ずっと何かしらの収入を得ていました。
それを親に渡すことこそしませんでしたが、家に住む以外の自分に必要なお金は全て自分で支払っていました。
これが良いことかというと、さっきの”度を過ぎれば卑屈になる”のと同じような害があるように思います。
まあ単純に、選べる未来の幅が狭くなることのほうが重大かもしれませんが。
松尾のお父さんは松尾からすると最高のお父さんに間違いないですね。お父さん自身は「俺も間違うことはあるんだぜ」と言っているように、そう買い被らないでくれと感じる部分が多々あるだろうと思います。
お父さんは出発前に、松尾の荷は大人の四分の一でいいと言っています。松尾自身が強がって半分にしました。
お父さんはこゆきさんの仰るようなことを考えたのかもしれませんし、他にも理由があるかもしれません。
どうであれ、松尾の限界を超えていたぶるようなことはしませんね。父ちゃんと呼んでくれる松尾が可愛いからです。
怖れる鬼をまた間近に見た松尾ですが、今回はどうやら武士たちが退治したようです。
物語としてこれからどうなっていくか、まずは導入のお話は今回で終わりとなります。