松尾はあれほど恐ろしいものを目にしておきながら、何も知らない子供のままでいるのではなく、自分も一人前になりたいと思ったんですね。
>父ちゃんに危ないことさせたいなんて思わないんだからさ
ここに何となく、彼自身はいずれ危険を冒しても襲われた人を助けたい、というニュアンスを感じました。
>どこからか聞こえるような、山伏の悲鳴に謝り続けながら
鬼の恐ろしさより、山伏の悲鳴の方が強く記憶に残ったんですね。
今は子供ゆえの無知からくる勇敢さとも取れますが、しかるべき方法で強くなっていってほしいです。
作者からの返信
すずめさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
>自分も一人前に
そうですね。現実にも”一人前”と言ったところでどれほどのことができればそうなのかとは判断の難しいところで、しかも自分が一人前とはなかなか自信を持てないものです。
で、松尾にとっての一人前とは父や大人たちなわけで。
この短い時間に、これまで思ったこともない自分の未熟さを痛感したみたいですね。
>彼自身はいずれ危険を冒しても襲われた人を助けたい
「助けられなかったのかな」「かわいそうだね」に続くセリフで、頼りにする父にやってほしいとは思わないと。
では残る方法は──と考えていただけたのかは分かりませんが、仰るとおりです。
年齢や経験を重ねれば多くの選択肢を持てますが、幼い松尾にはAでなければBしかない、みたいな考え方しかできなかったのかもしれません。
>子供ゆえの無知からくる勇敢さ
なのですよね。話に聞いて、自分の目に見て。しかし痛い目に遭ったわけではない。それよりも恐怖を抽出したような、幼心に助けてやりたいと思った山伏の悲鳴に罪悪感を持ち、共感的に怖いと感じているのだと思います。
もちろんきっかけがなんであろうと、辿り着いた場所が正解であればいいので。すずめさんの言うように、しかるべき方法で正しく強くなれればいいですね。
お父さんとの会話で、状況がより深掘りされました。松尾にはただ驚くばかりのことも知っている者は知っている鬼について。おとなしくしてやり過ごすこと。ここが闇にあり、月がある。その雰囲気も伝わりました。娘の病院で疲れて寝てました。明日は息子のです。遅くなったらすみません。
作者からの返信
こゆきさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
はい、松尾は鬼の存在を知っていただけで、細かなことはなにも知らなかった。大人たちは知っていた。
やはり知らなかった山伏は食われた。助けられなかったことを、父は謝った。
短い時間に、松尾の胸へ多くのことを落とした夜のお話でした。
病院は疲れますよね。自分のもですが、お子さんとなると別の疲れ方もあると思います。
無理のないようにされてくださいませ。