第7話「女の園」もしくは「ママ友井戸端会議」が超絶向いていない件について

 わたしね、LINEしていないのです。

 それだけで「あら?」という感じでしょう。

 学校の「保護者LINEグループ」に、つまり入っていないのです。

 

 理由は、ああいうママ同士のねっとりとしたやりとりが苦手だからです。

 空気読めないから誤爆しても困りますよね? 息子に被害が及んでもいけません。

 息子たちにも「絶対に入らないで! やばいから!」と止められています。


 そういえば、息子たちがまだ幼稚園のころ、「公園でのママ友トークの輪」に入ることが出来ませんでした。友だちとは話します。でも、「ママ友トーク」には入れないのです。

 なぜなら、ずっと旦那さんの悪口を言っているからです。

 旦那さんの愚痴自慢なんです。

 或いは、噂話です。

 みなさん、噂話、好きですよねえ。延々と噂話をしていらっしゃいます。

 どうも、そういうの、苦手だったんです。

 空気読めないので、正論言って場をしらけさせてしまうのです。


 仕事の場というのは、もっと円滑なコミュニケーションが行われているのだと信じていました。「公園でのママ友トーク」のようではなく。事実、これまで勤めて来た会社は、もっと合理的でした。


 ケーキ屋さんは違いました。

 ケーキ屋さんは「女の園」です。そして、雰囲気は「公園でのママ友トーク」にとても似ています。愚痴や噂話を言っているわけではないのですが、とにかく空気を読んで行動しなくてはならないのです。


 ASD(アスペルガー)が最も苦手なことです。


 空気を読む。

 ……どうやって?


 仕事で空気を読む羽目になるとは、本当に思ってもみないことでした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る