第3話「ミスはしないで」が無理な件について

 ADHDって、ミスしちゃうんです。

 だって、そういう特性だから。

 おっちょこちょいだし、「ついうっかり」なんです。

 だって、そういう特性だから。


 ケーキ屋さんはミスをしてはいけない職場でした。

 ケーキを倒したことは一度だけです(買い取りしたよ)。

 わたしがするのは小さな間違い。

 例えば、「〇〇ポイントついていますよ」と言い忘れるとか、ポイントの内訳を言い忘れるとか。或いは保冷シートのサイズを間違えるとか。

 ポイントカードについては、あまり理解出来ていないせいで間違えます。

 

 ポイントカードの説明マニュアルも、もちろんありません。

「マニュアルは自分で作ってください」と最初に言われて、ほんとうにびっくりしました。分からない状態でどうやってマニュアルを作るのでしょう? しかも、口頭で言われることは、そのたびに少しずつ違います。


 とにかく、マニュアルはなくても「見て覚えて」ミスはしてはいけないのです。

 ケーキを倒したことは1回だけだし、レジミスはしたことがありません。基本的に「ケーキを箱に入れて渡すこと」は出来ていると思います。


 だけど、毎日「いつになったら出来るようになるんですか」「西さんがいるせいで、みんなが迷惑しているんです」と言われます。

 ちなみに、何が出来ていないかの説明はありません。

 たぶん、小さなミスをするからいけないのだ、と理解しています。


 でも、その小さなミスはなくならないのです。

 だってわたし、ちょっと忘れていたけどADHDなのですから。

 ASD(アスペルガー)の方が強く出ていますけどね。


 ADHDでASD(アスペルガー)のわたしはケーキ屋さんでは働いてはいけないことが分かりました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る