第2話 君の真名

 入学した高校は主にカッシーニ建設の家族が通う学校だ。ワタシのようにカッシーニとの結合のために呼び寄せられたテイクアンカー工務店の関係者も多からずいる。

 折り目のしっかり入った新品のプリーツのスカートを穿き、傷一つついていない革のカバンを持って新しい生活が始まろうとしている。

 同じような生徒がぞろぞろ歩くなか、ワタシの視線をくぎ付けにして離さない上級生が一人いた。

 長い髪をリボンで結わいてポニーテールにしている。

「せ、先輩!」

「なんだい?」

「先輩の名前を教えてください!」

「イキナリだねー。いいよ、ボクの名はミズサキ・ジェシイコ。君の名は?」

「ワタシの名前は、ツチダ・カサリンです。先輩とは初めて会った気がしなくて……」

「ほう、前世からの知り合いかな? 君の真名はなんていうんだい?」

「ワタシの真名はスズキ・トムロウです!」

 大空に帯状に伸びる銀河殻。そこへ垂直に繋がる銀河殻。

 今、ワタシと先輩は一つに繋がった。


(了)

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銀河殻の上級生 楠樹 暖 @kusunokidan

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