第5話 異星人の一味へ
今夜は、実さんは8時ごろに帰ってきていて、1人でお酒を飲んで、テレビでサッカーの試合を見ていた。サッカーって、ルールもよく分からないし、時々、歓声が聞こえるけど、あまり関心もなく、勉強に集中していたの。
11時ごろ、寝ようと、お風呂に入り、パジャマ姿でリビングを通ると、実さんがテレビのお笑いを見ていて、大笑いをしていた。
「酔ってるの? 早く寝た方がいいわよ。私は寝るわね。おやすみなさい。」
その時だった。実さんが私の方にきて、手を握った。そして、私の部屋のベットに私を寝かして、上から覆いかぶさってきたの。え、何をするの? 私は、何が起こったか分からないまま、その場で固った。
そして、いつの間にかパジャマは脱がされていて、気づくと、実さんも何も着ていなくて、私の唇に自分の唇を重ねた。私は、もう抵抗できずに、自らもキスをしていた。
大きな胸板で抱かれ、幸せを感じたの。いつの間にか声も出ていて恥ずかしい。体の中で、何かが爆発して、私の腕は実さんの背中を強く抱き締めていた。そして、実さんに手をかけたまま、一緒に寝た。
朝、陽の光が顔を照らして目を覚めたの。実さんも横で寝てる。昨晩は何が起こったんだろう。あれ、私は裸。そんなことって。慌ててパジャマを着て、昨晩、起きたことを思い出した。
そう、とんでもないことしちゃった。子供とかできたら、どうしよう。お父さんとかに、どう言えばいいんだろう。実さんは酔っ払っていたんだから、私が冷静に対応すべきだった。でも、ずっと夢にできてきた実さんを拒絶することもできなかった。
私は、どうすればいいのか分からなくて、部屋をただ、ぐるぐる回っていた。そしたら、起きた実さんが、心配はいらないって私を包んでくれた。
そして、数ヶ月後、私は、妊娠していることがわかったの。どうしようと悩んでいたら、実さんが、そんな女性も受け入れる大学があるからって勧められて、ある女子大に入学した。どうも、異星人が子供を受け入れるための大学だったみたい。そして、入学後、2ヶ月で、可愛い女の子が生まれた。
妊娠したことが分かって、親にもどう言おうと悩んでいたら、実さんから父には伝えたみたくて、父からおめでとうって連絡がきた。父親はすでに感染して異星人となっていたみたいで、実はアメリカ出張も、実さんと私に子供を作るためだったんだって。
実さんも、そっけなく対応した方が気になるだろうからって、わざと冷たくしたんだって。お父さんも実さんも、ひどい。
母親も、どう洗脳したのか分からないけど、おめでとうと連絡がきた。
なんか私は、異星人の一味になっちゃったみたい。実さんからは、異星人の実態について聞かされた。見た目は別に普通の人間だから、怖いことはなかったけど、なんか、私のことが好きだったんじゃなくて、異星人の子供が欲しいだけだったのかな。
がっかりだけど、実さんといると、どうしても体が抑えられなくて、21歳の時に、もう一人、男の子ができちゃった。別に、人間が殺されているわけでもないから、まあ、いいかなって感じ。
仕事も、異星人の会社で働くことに決まった。特に就職活動とか苦労せずに、決まったから、苦労している高校の友人とか見ると、逆に幸せなのかも。
これまでも、それなりに楽しく生きてきたけど、最近、異星人が活躍していて、CO2排出量とか減って異常気象とか少し治ってきたし、なんか、楽しい気分で過ごせる環境になってきたと思う。
なんか、私、異星人の製造マシーンのように思われているかもしれないけど、人間どうしも同じものかも。結局、子孫を残すために生きてるんだものね。子供も可愛いし、異星人のネットワークの中にいれば楽して生きられるし、まあ、いいか。
異星人とJKの不思議な同居生活 一宮 沙耶 @saya_love
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