VS不動久美子 再戦
「ほら、これでいいのか」
俺はママに堺雪を差し出した。未だに意識は戻っていない。
「なんで片耳ないのよ」
「食った」
「相変わらずね」
頭の中で手持ちの武器を頭の中で数える。
「取り分の話をしようか、ママ」
「三万だっけ」
「馬鹿なこと言うなよ。五千万もあるのにそれだけってことはないだろ。これだけは貰いたい」
俺は一本指を立てる。
「一千万でどうだ」
「馬鹿言っちゃいけないよ」
「破格だろうが」
クソババア。殺すか。
「これで手打ちにしないつもりなら、やるしかねえぞ」
「いい加減、大人になれ」
「クソ食らえだ、ババア」
柳原、お前なら賢い選択が出来たんだろうが、俺には無理だ。
「これだから野良犬は隙になれないよ」
俺は女を見た。こいつ、起きてたのか。
女がナイフを取り出して好きに斬りつけてきた。服が切れる。肉まではいってない。
「ババア、もういいだろう。こんな女一人の加勢で何になるよ」
バン!と銃声が鳴った。なるほどね。
「三万は渡すからさっさと出ていきな」
「馬鹿言うな。そんなはした金で納得できるかよ」
女がこっちを睨んでいる。良い目だ。ママは拳銃を構えている。射線上に女がいる。ここにしか勝機はないか。
俺は駆ける。女がナイフを振る。頬が切れる。構わず。顎を殴る。女の体が少し浮く。そこにナイフを刺す。
女を楯に突き進む。女のナイフが背中に刺さる。気にしない。
女が死んだ。ババアまであと五歩。十分だ。
女からナイフを抜く。ババアは俺に照準を合わせている。
大きく一歩踏み出す。同時に銃声が轟く。頬が弾け飛ぶ。
二歩三歩。左手を前に出す。同時に銃弾で弾けた。骨と肉が顔に降りかかる。
勝った!
俺はババアにナイフを突き刺す。同時に銃声が鳴る。俺の眉間に突き刺さった銃弾は脳味噌をぐちゃぐちゃにかき混ぜながら突き抜けた。
野良犬 あきかん @Gomibako
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
近況ノート
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます