1月13日(土)

第56話 / side 琴葉16

お待たせいたしました…。



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 冬休みが終わり最初の週末。

 いつもより少し遅い時間に起きた遥はフラフラとおぼつかない足取りで朝の支度をしていた。

 寝室からリビングへ移動し、琴葉に挨拶をする。


「おはよう琴葉ちゃん…ごめんね…寝坊しちゃって…」

「大丈…」


 琴葉が返事をしようと振り返ると、顔が赤くなり壁に身体を預け今にも倒れてしまいそうな遥が居た。


「遥先輩!?大丈夫ですか!?」

「んぇ?だ、大丈夫だよ…」

「大丈夫じゃないですって!と、とりあえずお布団戻ってください!」

「う、うん…」


 ☆☆☆☆☆


 起きてきた先輩は見るからに体調が悪そうだった。

 ひとまず先輩をベッドに寝かせる。


「遥先輩、体温測っておいてください」

「うん…」


 先輩に体温計を渡し、測っている間に色々用意をする。

 キッチンへ行きお粥を作る。少し多めに作って私も朝ご飯にお粥を食べちゃおう。

 後は…スポーツドリンクがあれば…。

 冷蔵庫には無いし…ストッカーに粉余ってたかな…。んー無いな…。


「先輩残して買い物に行くのもな…」


 とりあえず完成したお粥を先輩に食べて貰おう。


「先輩熱測れました?」

「うん…37.8°cだったよ…」

「風邪…ですかね…インフルとかじゃないと良いんですが…」

「だね…」


 時期的にインフルエンザの可能性もある。様子を見て病院に行かないと…。


「先輩お粥作ってきたんですけど食べれそうですか?」

「少し食べようかな…」

「わかりました。ちょっと待ってくださいね…ふーふー、先輩あ〜ん」

「こ、琴葉ちゃん!?じ、自分で食べれるよ!」

「あ〜ん」

「……あーん」


 その後も数回冷ましてからあーんをしてあげる。食事を終えたら、解熱薬と水を渡し飲んでもらう。


「先輩、ちょっと近くのコンビニでスポーツドリンクを買ってこようと思ってるんですけど、何か欲しいものありますか?」

「大丈夫だよ…ありがとね」

「…では、行ってきますね。ちゃんと寝ててくださいね?」

「うん…いってらっしゃい」


 先輩を一人残して買い物に行くのは心配なので、急いで買ってこよう。


「スポーツドリンクとゼリーのやつと…あと冷えピタあるかな…」


 コンビニへ着き目当てのものをカゴに入れていく。


「後は…これも買っていこ!」


 デザートコーナーでプリンを手に取った私はレジへ向かい会計を済ませ、急いで家に戻った。


「ただいま…」


 寝室へ行くと先輩は寝ていた。


「とりあえず冷えピタ貼ってあげて…スポーツドリンクはサイドテーブルに置いておいて…」


 キッチンへ移動し、プリンを冷蔵庫にしまい、ようやく一息つく。


「あ、佐伯さんに連絡しておかないと…」


 今日は午後からアルバイトだったのを思い出し、店長へ電話をする。


「あ、もしもし柊です」

『もしもし〜どしたの?』

「実はですね…遥先輩が体調を崩してしまいまして…」

『えっ!?大丈夫なの?』

「今は薬を飲んで寝ています。起きたら病院へ行こうと思ってるのですが…」

『そっか!そしたら今日は二人とも休みでいいよ!』

「いいんですか?」

『うん!大丈夫大丈夫、涼香ちゃんも居るしね!』

「では、申し訳ないですが…」

『うん、遥ちゃんにお大事にって伝えておいて!』

「はい、ありがとうございます!」


 佐伯さん優しくて良かった…。

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