1月5日(金)

第53話

 夜ご飯を食べた後少しまったりとした時間を過ごし、ベッドに入ると行為の疲れからかすぐに寝てしまった二人。


「んっ………はぁ……」

「おはようございます、遥先輩」

「おはよ、琴葉ちゃん」

「朝ご飯すぐ作りますね」

「ありがと」


 遥が着替えをしている間に琴葉は朝ご飯を用意する。遥も着替えが終われば用意を手伝い、二人揃って朝ご飯を食べる。

 片付けは遥が行い、その間に琴葉が軽い掃除を済ませる。


「琴葉ちゃん、今日一緒に行かない?」

「いいんですか?」

「確認ついでに紹介しちゃおうかなって思って」

「分かりました。すぐ用意しますね」

「ゆっくりで大丈夫だよ〜」


 準備を済ませた二人は、手を繋いで遥のアルバイト先へ向かう。


「店長さんに話してくるから、ちょっとだけここで待っててね」

「はい」


 遥は琴葉を喫茶店の裏口の前に残し、中へ入っていく。


「店長さん!お久しぶりです!」

「遥ちゃ〜ん、久しぶり〜」

「これお土産です!」

「お、ありがとね〜」


 帰省をする為長めの休みを貰っていた遥は店長に感謝を伝えお土産を渡した。


「店長さん、一つ聞いてもいいですか?」

「なになにどしたの?」

「アルバイトってまだ募集してます?」

「バイト?一応してるけど」

「そしたら一人紹介してもいいですか?」

「いいよ?今日?」

「はい!今裏口のところで待ってもらってるんで、連れてきちゃっていいですか?」

「うん。そしたら事務所の方に居るから」


 店長に確認が取れた為、琴葉を迎えに行く遥。裏口を開けると琴葉と誰かがお話をしていた。


「琴葉ちゃん!おまたせ!」

「あ、遥先輩。どうでした?」

「大丈夫だって!」

「良かったです」

「遥ちゃん久しぶり」

「お久しぶりです!鈴原さん!」


 琴葉と話していたのは、遥と同じくアルバイトの鈴原 涼香りょうかだった。


「あ、すみません…お話の途中で…」

「いいよいいよ、遥ちゃん待ってる間って事だったし。これから面接なんでしょ?頑張って」

「ありがとうございます!」

「それじゃ行こっか?」


 再度裏口から中へ入り、琴葉を事務所へ連れていく。


「店長さ〜ん連れてきました〜」

「入っていいよ」

「失礼しま〜す」

「失礼します」

「初めまして、この喫茶店の店長の佐伯さえきよ」

「初めまして、柊 琴葉です。」

「採用!」

「えっ!?」

「遥ちゃんの彼女でしょ?」

「そうですけど…」

「じゃあ大丈夫よ。シフトは遥ちゃんと一緒でいい?」

「は、はい!」


 自己紹介をしただけであっさりと採用が決まってしまい驚く琴葉。シフトも遥と一緒になり、色々大丈夫なのか心配になる。


「とりあえず今日お試しで入ってもらおうかな。遥ちゃん色々教えてあげてね!」

「はーい!」

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