第45話
年が明けるまであと僅か、遥と琴葉の二人は年末の特番をBGMにしてイチャイチャしていた。
雪と和人は少し前に寝てしまった。
琴葉が遥の脚の間に座るいつもの態勢。
「今年も終わっちゃうね」
「そうですね…」
「琴葉ちゃんと付き合い始めたの今月なのにもうずっと一緒に居た気がするよ」
「私もです!」
「えへへ〜嬉しいな!来年はさ!色々行ったりやったりしようね!」
「そうですね!でも、遥先輩は受験生にもなるんですから遊んでばっかりはダメですよ?」
「うぐっ…そうだね…」
「ふふっ息抜きは大事ですからね」
「そうだよね!あ、それでね、たまにでいいからみーちゃんも誘いたいの…いいかな?」
「狭山先輩ですか?」
「うん。琴葉ちゃんと付き合う前はちょこちょこに遊びに行ったりしてたんだけど、最近行けてなくて…。それでね?この間お母さんに言われたの…みーちゃんが寂しがってるって…」
「なるほど…幼馴染ですもんね…」
「三人で遊びに行けたらなって思ってるんだけど…それかクリスマスみたいにうちに集まってとかで大丈夫なんだけど…」
「……いいですよ」
熟考の後、琴葉は了承した。
寂しそうな表情で了承を口にする琴葉を見て、遥は抱き締める力を少し強める。
「遥先輩?」
「そんな寂しそうな顔しないで?私の彼女は琴葉ちゃんだよ?絶対離れたりしないから!」
「ッ!!!」
「ごめんね?不安にさせちゃって…」
「だ、大丈夫…ですよ…」
「ほら、こっちむいて?」
遥は腕の力を緩め琴葉に振り返るよう促す。
振り返った琴葉は遥の脚を跨ぐように座り、抱き着いた。
遥も再び琴葉を抱き締める。絶対に離さないという意味を込めて。
「よしよし」
「うぅ……」
「琴葉ちゃんが嫌って言うまで離れないからね」
「言いませんよ…嫌なんて…」
「じゃあ…ずっと一緒だね?」
「ずっと一緒です…」
「琴葉ちゃん…大好き…ちゅっ!」
「私も大好きです…遥先輩!ちゅっ!」
互いに確かめ合うようにキスをする。段々と激しさを増していく。触れるようにキスから啄むようなキスになり、やがて舌を絡め合わせるキスに。
「んっ……れろ……んちゅ……んっ……」
「んっ……ちゅる…んっ……ちゅっ……」
時間を忘れてキスをする二人。
いつの間にか日は変わり、年が明けていた。
それに気付かずキスを続ける二人は、遥のスマホに来たL○NEの通知音で我に返る。
「なんだろ?あっ!日付け変わってる!?」
「えっ!?ほ、ホントですね…」
「みんなからあけおめってメッセージ来てる!ちょっと返しちゃうね?」
「はい。ふぁ……」
琴葉に断りを入れてからスマホで友人達にメッセージを返す。
「よしっ!とりあえず返し終わったかな。……琴葉ちゃん?」
「すぅ……すぅ………」
「あちゃ〜寝ちゃったかぁ〜。運べるかな…」
普段ならとっくに寝ている時間だった琴葉は、遥がメッセージを返している間に寝てしまっていた。
「よ……っと。案外持ち上がるもんだねぇ…。琴葉ちゃんが軽いってのもあるだろうけど。さて、お姫様を運びますか」
琴葉をなんとかお姫様だっこで寝室まで運んだ遥。
「おやすみなさい。ちゅっ」
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