第31話
お読み下さりありがとうございます!
本日2話目の更新になります。
1話目がまだの方はそちらからお読みください。
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「あんた達、私の彼女に何してんの?」
遥がお昼を買い席に戻ると男二人に絡まれている琴葉が居た。
「彼女?あれデート中って言ってなかったっけ?」
「デート中ですが?」
「ふーん。まぁいいや!君も一緒に遊ばない?」
「いいね!ダブルデートじゃん!」
男達はゲラゲラと笑いながら話を進めていく。
そんな男二人を見つめる遥の瞳はとても冷ややかなものになっていた。
「あなた達と遊ぶ気はこれっぽっちもないから帰ってくれないかな?」
「えーちょっとくらいいいじゃん!絶対楽しいって!」
「そうそう!楽しいし気持ちいいよ!」
最早隠す気のない二人に、遥の視線はさらに冷たくそして鋭くなっていく。
「はぁ…せっかくデート楽しんでたのに…」
「俺らと遊べばもっと楽しいって!」
「それな!」
一体全体どこからその自信がやってくるのか、男達は自信満々に誘ってくる。
(はぁ…最悪だよぉ…。どうしよう…。)
「ねぇねぇ!遊ぼうって!」
「遊んじゃおうよ!」
しかし、救いは突然やって来る。
「君達、何をやってるのかな?」
そこに現れたのは警備員さんだった。
「うぇ!?べ、別に何もしてませんけど?」
「そうだぜ!」
「そうかな?そちらの女性二人がとても迷惑そうにしているけど?」
「な、なんの事ですかね?」
「ちょ、ちょっと声掛けただけじゃねぇかよ!」
「そうかい?だいぶしつこく絡んでいたように見えたけど?」
「ちっ、行こうぜ」
「そうだな、マジシラケるわ〜」
そう言って男達は逃げるようにどこかへ行ってしまった。
警備員は遥達に視線を向けると
「大丈夫だった?」と聞いた。
「はい!ありがとうございます!」
「ありがとうございます!とても困っていたので助かりました!」
「いやいや、これも仕事だからね。じゃ、おじさんはもう行くから二人は楽しんでね」
警備員にっこり笑いつつそう言って去っていった。
「はぁ…びっくりした…。ごめんね琴葉ちゃん!怖くなかった?」
「大丈夫ですよ!遥先輩もありがとうございました!」
そうは言っているが、やはり大人の男性二人に絡まれたのだ。全く怖くなかったという事はなく微かに震えていた。
それに目ざとく気付いた遥は、琴葉の横に座るとそっと肩を抱き寄せた。
「怖かったよね…はぁ…なんともなくて良かった…」
「っ!」
遥に抱き寄せられ赤面する琴葉。
しかし、安心したのか身体の震えは止まっていた。
「あ、丁度呼び出しのブザーが鳴ったので取りに行ってきますね!」
「気を付けてね!」
「はい!」
料理を受けとって戻ってきた琴葉と遅めのお昼を食べつつ、この後の予定を話し合った。
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