12月10日(日)

第19話 /side 琴葉9

 本話では☆以降、琴葉サイドに切り替わります。


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「朝…。」


 いつもの時間に起床した遥。

 意識がハッキリとしないなか、その腕に抱く柔らかく暖かいモノを強く抱き締めた。


「んっ///遥先輩///」

「んぅ…」


 微睡みの中、名前を呼ばれた気がした。

 しかし抱き締めているモノがあまりに心地よく、まだ起きたくない、離したくないとより一層力を込め抱き締める。

 自分が何を、いや誰を抱き締めているのかをすっかり忘れて。


「はーるーかー先輩っ」

「んぅ…んーん」

「んっ///」


 再度名前を呼ばれ、いやいやと抵抗する様に頭を動かす。

 そして抱き締めているとても柔らかなモノへ顔を押し付ける。すると、自分のモノではない、しかしどこか嗅ぎなれた落ち着く香りがする。


「ちょっ///遥先輩!流石にそこはダメですよ!」

「んぇ?」


 ついには強めに肩を揺すられ、目を覚ました。琴葉を強く抱き締めその胸元に顔を埋めた状態で。


「おはよう?」

「はい。おはようございます!先輩。それでなんですけど、とっても嬉しいんですけど流石にちょっと恥ずかしいので、腕の力弱めて貰えませんか?」

「あっえっあっごめんね!!!」

「いえいえ。赤ちゃんみたいでとっても可愛かったですよ?」

「うぅ…恥ずかし過ぎる…」

「ふふふ///」

「うーよし!起きよう!今日は私が朝ご飯作るね!」

「はい。お願いします!」


 ベッドから出た遥は朝食の準備の為キッキンへ。何となく和食の気分だった遥は、鮭の切り身をグリルに入れ、鍋に水を入れてお湯を沸かす。


 テーブルの上には白米に味噌汁、焼いた鮭の切り身というザ・和食といった朝食が並ぶ。


「いただきます!」

「いただきます!先輩。んっ…このお味噌汁とっても美味しいです!」

「そう?ありがと!」

「毎日飲みたいくらいです!」

「こ、琴葉ちゃん!?」

「ふふっ冗談ですよ先輩」


 雑談をしつつ朝食を食べ、二人協力して片付けを行う。

 そして寝室へ戻りアルバイトへ行く準備をする遥。


「じゃあ、アルバイト行ってくるね?どこか出掛ける時は戸締りよろしくね!」

「はい!先輩頑張ってください!いってらっしゃい!」




 ☆☆☆☆☆


 先輩がアルバイトへ行ってしまった。

 一昨日の夕方からほぼずっと2人で居たので、少し寂しくなってしまう。

 気持ちを切り替える為にも、一旦自分の部屋へ戻り着替えをしよう!


 私の今日の服装は昨日と同じ様にオーバーサイズのパーカーを来てタイツとショートパンツを履いたゆるゆるコーデ。


 そして勉強を持って先輩の部屋に行く。

 部屋を使わせてもらうのでまずは掃除をする。掃除は掃除機を軽くかけて終了。

 元々先輩はその辺はしっかりしているようなので、そんなに汚れてはいない。

 次に外を確認する。

 今日は冬にしては暖かくとてもいい天気なので、布団を干すことにした。朝食の際に先輩には確認してあるので問題ない。

 これはお昼過ぎに取り込む。


 洗濯も自分がやると言ったが流石に任せて貰えなかった。


 そしていよいよ勉強をする。

 とりあえずお昼まで集中してやろう。

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