第14話

 朝ご飯兼お昼ご飯を食べ終わり片付けをしている琴葉に、遥はソファから声をかけた。


「この後どうする?」

「そうですね。先輩がよければですが、期末テストに向けて勉強を教えていただけませんか?」

「いいけど…私そんなに成績良くないよ?」

「大丈夫ですよ!それじゃあ、ちょっと勉強道具取りに行ってきますね!」

「うん、いってらっしゃい」


 勉強道具を取りに部屋へ戻った琴葉を見送り、遥も勉強道具を取りに寝室へ行く。

 遥は勉強道具を持ってリビングへ戻り琴葉を待つ事にした。


 スマホを弄って待つ事数分。

 玄関の方からドアを開ける音がした為、そちらへ向かう。


「おかえり、琴葉ちゃん!」

「ッ!!た、ただいま、遥先輩!」

「ふふっ、それじゃあ、リビングで勉強しよっか?」

「はい!」

「そうだ!遥先輩!」

「どうしたの?」

「1個お願いがあるんですけどいいですか?」

「お願い?」

「はい!テストの成績が良かったらご褒美を貰えませんか?」

「んーまぁ私に出来る範囲でならいいよ?」

「ホントですか!?」


(あれ、もしかしてこれやっちゃった??)

「う、うん…あんまり変なのはダメだよ?」

「大丈夫です!ふふっ///凄くやる気が出てきました!」


 会話をしながらリビングに移動した二人は、テーブルを挟んでそれぞれ座る。


「遥先輩って得意教科なんですか?」

「得意教科…って程じゃないけど、数学は結構できると思うよ?」

「分からないところがあったら聞いてもいいですか?」

「ま、まかせて!流石に一年生の内容だし大丈夫なはず!」

「ありがとうございます!」


 二人はそれぞれの勉強を始めた。

 遥は一時間程集中して勉強した為、少し休憩をしようと顔を上げた。


「こ、琴葉ちゃん?」

「…」

「琴葉ちゃーん!」

「は、はい!な、なんでしょうか?」

「…えっと…こっち見てたみたいだけど、分からないところあった?」

「ッ!!い、いえ、大丈夫です!少し休憩しようと思ってたところです!」

「そ、そっか。私も休憩しようと思ってたし、ちょうどいいね!何か飲み物飲む?」

「はい!」

「コーヒーで大丈夫?」

「大丈夫です!」


 キッチンへ移動しコーヒーを入れ再びリビングへ戻ってきた遥は琴葉に声をかけた。


「琴葉ちゃんって苦手な教科って何?」

「そうですね…数学は少し苦手かもしれません。ときどきどの公式を使ったらいいのか分からなくなってしまうんですよね」

「なるほど…」

「遥先輩の苦手な教科はなんですか?」

「私は体育かな。運動得意じゃないんだよね」

「あ、いえ、あの、勉強の方で…」

「んっ!それもそうだよね!特に苦手って教科はないかな」

「そうなんですね…。凄いです!」

「まぁ、一人暮らしの条件に成績維持も入ってるからね!」

「そう言えば、遥先輩はどうして一人暮らしなんですか?」

「あー気になる?」

「少し…ですが」

「元々この辺に住んでたんだよね。で、私が中3の時にお父さんの転勤が決まって、その時にはもう受験も終わってたし、お父さんはお母さんがいないと何も出来ないって事で、一人暮らしする事になったの」

「そうだったんですね。寂しくはないんですか?」

「んー最初は寂しかったかな。でも年に何回か会いに行くし、ビデオ通話とかもあるかね!」


 その後も2人は雑談をしつつ夕方まで勉強を続けるのだった。

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