12月09日(土)
第13話
目が覚めると頭の下の枕がいつもより柔らかかった。
そして目を開けると私を見つめる琴葉ちゃんと目が合った。
(ん?ちょっと待ってこれどういう体勢?この柔らかいのってもしかして…)
「ごごごごごごごめんね!!!!!」
「先輩おはようございます。私が自分で先輩の頭を載せたのでそんなに慌てないでください♪」
遥は謝ると同時に起き上がろうとした。
しかし琴葉にやんわりと押し戻される。
「えっ!?」
(えっ?????どういう事???確か夜通し琴葉ちゃんの頭を撫でて、琴葉ちゃんが起きて、お願いされてギュッってしながら頭撫でたのは覚えてる…けど。)
「先輩、まずはごめんなさい。私のせいで寝れてなかったんですよね…」
「ん、うん、それは大丈夫だよ!」
(そう、そっちは全然大丈夫なんだ…。それよりこの状況を何とかしないと…。)
「で、そんな先輩に何かお礼をしたいなと思って、膝枕をする事にしたんです!」
「ちょっと待って!何処からの"で"なの!?お礼は分かるけど何で膝枕なの!?」
「それは……私がしたかったからです///」
「そ、そっか…したかったのか…」
「はい!したかったんです!」
遥は思考を止めて理解することを諦めた。
そして次の瞬間遥はある事に気付いた。
(ん?ちょっと待って!?琴葉ちゃんずっと私の寝顔見てた…ってこと!?恥ずかし過ぎる///)
未だ後輩に膝枕されている現実を脇に置き、1人悶える遥。
そんな遥を気にする風もなく、琴葉は話しかけた。
「あ、先輩!昨日の約束通り朝ごはん作ったんですけどどうしますか?時間的にもうお昼になっちゃいますけど…」
「んっんっ!そ、そうだね。琴葉ちゃんがせっかく用意してくれたんだから是非頂くよ!」
「ふふっ///ありがとうございます///じゃあ、ちょっと準備してきますね!」
「う、うん…。よろしく」
そうして一人寝室に残された遥は再来した羞恥心によってベッドの上で布団に包まるのだった。
(あ…。お布団から少し琴葉ちゃんの匂いが…ってこれじゃ変態さんだよー!
ふ、ふー。よし、とりあえず着替えよう。)
着替えを済ませた遥がリビングへ行くと、テーブルの上には美味しそうなご飯が。
「琴葉ちゃん!何か手伝う事ある?」
「いえ!大丈夫です!もう終わるのでソファで待っていてください!」
「分かった!とっても美味しそうで楽しみ!」
「そう言って貰えて嬉しいです///」
遥は琴葉に言われた通りソファに座る。
そして両手にお皿を持った琴葉が来る。
お皿をテーブルに置くと、遥へぴったりとくっつくように座る琴葉。
「こ、琴葉ちゃん!ち、近くない…かな?」
「そう…ですか?それより!ご飯食べましょう!」
「う、うん…そう…だね。食べよっか…いただきます!」
「はい!どうぞ!」
勢いに押された遥は諦め、琴葉が作った朝ごはんを食べる事にした。
琴葉が作ってくれたのはフレンチトースト。
二人は遅めの朝ごはんになってしまったそれをあっという間に完食してしまった。
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