第12話 side 琴葉6
キャラが勝手に動くとはこの事なのか…と実感しました。
他の話は大体1000文字ちょいなんですがこの話だけバイトありますw
琴葉ちゃんこんな変態さんにするつもりなかったのに…
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謝罪を受けた後、少し気まずい雰囲気になってしまったものの、優しい先輩はあれこれ話を振ってくれた。
「琴葉ちゃんって学校で聖女様って呼ばれてるじゃん?あれってどうなの?」
「そう…ですね…。まぁ正直に言う言ってしまうとあまり気分のいいものでは無いですね…」
「あー。だよね。ご、ごめんね?」
「いえ、大丈夫です」
そう、私は学校で何故か"聖女様"と呼ばれている。
私を実際にそう呼んでくるのはクラスメイトの男子の一部だけではある。ただ陰ながらにそう呼ばれているのは知っている。
仲の良い友人同士で使われる渾名の様な物なのだろう。
しかし、高校生にもなって"聖女様"なんていうのは自分の意思でなかったとしても恥ずかしいし、呼ばれて気分のいいものでは無い。
「先輩はそう言った渾名みたいなのってありました?」
「うーん?正直私のはもっと酷かったと思うよ?」
和の質問に対し先輩は気まずそうに答えた。
「どういったものだったんですか?」
「一番酷かったのはおっぱいちゃんかな…。私胸大きいじゃん?若干コンプレックスというかなんというか…。これ言うとみんな怒るんだけど、大きくっても良い事無いのよ?男子とかすっごい見てくるし、運動する時とか痛いし」
お、おっぱいちゃんって…小学生ですか!って感じですね…。
確かに先輩のお胸は大きい。とても大きい。つい、じっと見てしまいます。
しかし人目を集めるという事は良い事ばかりではない。
現に、先輩もあまりいい記憶がないようだし。
「変な事を聞いてしまってすみません」
「んーん!大丈夫!私も聞いちゃったしね!おあいこさんだよ!」
「ッ!!かわ…そ、そうですね!」
(危ない、危うく本音が漏れてしまう所でした。)
その後も授業担当の先生の話や、お互いのクラスでの出来事などを話し合いました。
楽しい時間というのはあっという間に過ぎるもので、「ふぁ…。」と欠伸が出てしまいました。
すると先輩が時計を見つつ「そろそろ…寝よっか」と言ってきました。
私も時計を見れば既に日付が変わろうとしていました。普段であれば既にお布団へ入っている時間です。しかし…まだ先輩とお話したい。
ですが、先輩はゆっくりと立ち上がると寝室の方へ向かいました。仕方ないですが私も先輩の後を追います。お布団の中でもお話は出来ますからね!
そんな事を考えていると先輩から明日の朝について聞かれました。
朝の生活リズムは先輩と似ているようです。
何となく嬉しくなります。
「明日はお休みだけどどうする?」
「ご迷惑じゃなければ私が用意してもいいですか?」
「全然迷惑じゃないよ!むしろいいの?」
「はい!」
これで胃袋を掴むのよ!私!
と一人決心をしていると先輩が急にソファで寝ると言い出しました。
そ、それはダメです!先輩がソファで寝るくらいなら私が!
理想は先輩と二人でベッドで寝る事。
しかしどうやら先輩は照れている様子。
(うーん。どうしよう。あっ!そうです!)
「先輩、さっき何でも言ってって言ったじゃないですか…」
「分かったよ…」
先輩はしぶしぶといった感じで受け入れてくれました。
先輩にベッド奥側を使うように言われ早速ベッドの中へ。
入った瞬間、全身を包む先輩の匂い!
堪らず深呼吸をしそうになりましたがここは我慢です!
そして、「どうぞ?」と言いつつ軽く掛け布団を捲り先輩を誘う。
しかし硬直してしまった先輩。
「入らないんですか?」
「入らさせていただきます!」
「ふふっ…」
突然の敬語につい笑ってしまいます。
そして、何か覚悟を決めたような表情でベッドへ入ってくる先輩。
先輩が横に寝た途端、我慢が出来ず抱きついてしまいました!
明らかに同様している先輩。とても可愛い…。
しかし何か物足りない。あぁ…そうか。
「先輩もギュッてしてくれませんか?」
「で、でも…」
「先輩に、ギュッてされるととっても落ち着くんです。だから…お願いします//」
「くっ…これでいい?」
「はいっ!」
これです!これを待っていたのです!
先輩にバレないように先輩の匂いを嗅ぎます。
◇
ん?どうやら寝てしまったようですね。
なぜ分かるのか?それは夢を見ているから。お母さんが私を抱き締め頭を撫でてくれる。
そんな夢です。有り得ないと分かっていても夢に見てしまう。夢だと分かっていてももっと、もっとと求めてしまう。
しかし夢はいつか覚めてしまう。
段々と意識が覚醒していくのが分かります。
それと同時に頭部に感じる温もり。
なんだろ…これ…。
「ん…んぅ…あれ…朝?ん?」
「お、おはよう…琴葉ちゃん」
目を開けると目の前には先輩が、そして私の後頭部の方へ伸びる先輩の腕。
先輩が何か言っていますが半分寝ぼけている私の耳は右から左へ。
そして完全に目が覚めたところで全てを理解し、先輩へ謝罪。
先輩は優しい笑顔で許してくれた。
だから私は先輩に甘えてしまった。
もっと撫でて欲しいと思ったから。
「……頭…撫でて貰っても良いですか…?」
「うーん!?それはちょっとどうかなー!?あははー!」
「……ダメ…ですか?」
「グフッ!!」
「先輩…」
「だ、ダメじゃない…よ。ほら」
そう言って頭を撫でてくれた先輩。
調子に乗った私はもう一つお願いをした。
「先輩…ギュッも…してください…」
「う、うん…。はい、ギューっ!」
「んっ///」
「ちょっ!?変な声出さないでよ!」
「す、すみません…でも先輩にギュッてしてもらうと嬉しくって///」
先輩に抱き締めてもらった嬉しさで変な声が出てしまった。
しかしそれを聞いた先輩は「!?きゅ〜…。」と可愛らしい鳴き声とともに、眠ってしまった。
あ、寝顔撮っちゃお!
パシャッ!
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