4-3

 はぁ~、なんでこう強情なんだろう。

 ラナは溜息を吐く。

 彼女は父を説得するつもりだった。

 なのに言ったのは「行くから」とどれだけ彼女が本気なのか伝え話し合うことなく一方的に言った事を後悔する。

 どうして私はこう、突っ走っちゃうかな~!!

 頭を抱える。

 本音でもっと話し合うべきなのはわかっている。

 だけど彼女自身、素直に話せない面倒くさい性格なのは彼女自身が良く分かっている。

 

 どうしよう、こうなったら一週間以内なんて絶対無理だよぉ~!!


 せっかくの好機なのに、私の夢に手が届きそうなのに……どうして……。

 視界が水に潜ったかのように歪む。

 

「う……うぅ……」

 

 やらないといけないのに、夢の為に説得しないといけないのに……進むのが怖い。

 新たな道へ進むのが急に現実味を帯びたのか、怖くなってきたのだ。

 きちっと生活できるのか?

 田舎娘がやっていけるのか?

 夢を叶えれるのか?

 本当にやりたい事なのか?

 等様々な事が脳裏をよぎるのだ。

 そうして眠ることができず、朝になる。


「……練習……いっか」


 やる気が起きない。

 今までこんなことはなかった。

 

「……ふぅ~……」


 そう思いながらボーっとしていると、ノック音が響く。

 扉をあけると、姉様がいた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

次の更新予定

毎日 00:00 予定は変更される可能性があります

英雄に近づきたい私と英雄の君 ゆうき± @yuuki0plus

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画