プロット書く? 書かない?
プロットの話
プロットを書くべきか、書かざるべきか。
――ぶっちゃけどっちでもいい。ただし、完結させられるのならば。
ということに尽きます。まぁ、私の主観ですけど。
私はといえば、プロット作る派です。作らない作品もあります(ありました)けれども、基本的には作ります。
で、プロットって言うけど、多分これ、人によって「プロットの定義」がかなり幅があると思います。ここで厳密にプロット論を語ってもしょうがないので(ググれ)、割とコモンセンスな部分を切り取って話したいと思います。
ではそもそもプロットとは?
・物語の最初から最後までをある程度の区切りをつけて定義したもの
・この中には登場人物定義や舞台設定も含む
簡単に言えば以下のように作ります。*私のやりかた、ですが。
1)まず「主題」を決めます。
2)その後で「どんな
3)そして「そのためにはどんなキャラクターが必要か」を定義します。
4)最後に、それぞれの要素を持ってどんなストーリーを書くかを決めます。
という四段階でやっています、私は。
4)の部分が一番「プロット」に見えますね。でも、1)~3)がなければ4)は書けません。書いても途中でプロット自体がブレます。登場人物が無駄に増えたり、主題自体がぼやけたり。なので、1)~3)、いわば「準備」の部分に大きな馬力が必要になります。逆に言えば1)~3)ができたらよほどのことがない限り変えません。なので登場人物が後から後から増えて収集がつかなく……ってことにはならないのです。
また、実は私の場合、プロットを書く時間と小説本文を書く時間ってあんまり変わりません。せいぜい4:6です。逆に言えば、プロットさえできてしまえば、小説を書く全工程の4~5割が終わっています。しつこいようですが、あくまで私の場合です。
もっと言えば、プロットは「時間の節約」にはなりません。書きながら考える人とは逆で、プロッターは書く前に十分に考える。つまり考えるフェイズが前方シフトしただけなので、トータルでは変わらないんです、考える時間は。
それじゃぁ、何故にプロットを書くんですかと。
そういう話になると思います。時間の節約にならないんですからね。書きながら考えたほうが楽しいじゃんって考えになるのも納得できますし、実際にそういう方も多い。
が、プロットの最大のメリットは「プロットを作りさえしておけば、いざ書く時に書けないということがない」だと私は思っています。しばしば耳にします――「あ~書けない」「今日は全然書けない」。
1987年~2020年まで小説を書いていた時代の私の話ですが、1ヶ月で10万文字作品を1~2本上げるスピードをほとんどキープしていました。(もちろん諸事情により書けない時期はありましたが、いざ書くぞとなったらプロット時間加味して1ヶ月1本なら余裕でした)
このスピードと毎日5000-10000文字コンスタントに書けたというのは、ひとえにプロットのおかげです。迷わないんですよ、プロットがしっかり考えられていれば。なので、「展開に詰まった」とか「ここをどうしよう」とかそういうのがいざ書き始めた段階では発生し得ない。ので、一定速度で走り続けられるというわけです。
これはプロット作ったことがない人には伝わらないと思いますが、一般的就業体系(つまりブラックではない)企業で働いている場合だとして、平日5000文字、土日15000文字くらいはサクサク書ける。つまり、1週間5万文字程度はいけちゃうっていう寸法です。まぁ、この数値はタイピングのスピードや家庭環境によってものすごく振れ幅が出ますが、私をモデルにした場合です。子育て(3人)しながら、かつ土日ワンオペしていても、少なく見ても10000文字はいけますよ(プロットがあれば!)
って書いていて思いつきましたが、「なにかのスキマ時間で書く」という向きの方にはプロット書くことを強くおすすめします。というのは、「
私も娘氏(当時2歳)と遊びながら文章書いていましたが、その時でも一瞬の隙をついて文章に復帰できたりしました。プロットは偉大。頭に完全に入っているとなお偉大。
で。
プロットのメリットはと言うと、つまりは以下のようなことだと思います。
・書いてて迷わない
→ 一定の速度で書き続けられる。詰まらない。止まらない。
・主題がブレない
→ ストーリーの
・登場人物の掘り下げができている(なければプロットにならない)
→ 人間関係なども複雑にできるので深みが出る
・スキマ時間で書ける
→ 書きたい時にその瞬間から復帰できる
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じゃぁ、逆にデメリットはなにか? という話になりますね。
・プロットに縛られて融通が利かない
→ 途中でひらめいた要素があっても取り入れにくい(できないわけではない)
・決まったものがあると自由に書けないスタンスの場合、阻害要因になる
→ 発想重視の作家さんには足枷になるが、発想重視できれいに風呂敷をたためる作家さんってあんまりいない。上位層の一部のみという印象。*主観です
・プロットを考える時間が苦痛
→ 思いついたら早く書き始めたくなるが、その気持ちを抑えてじっくり思考しなくてはならないので、この時間を確保できないという人は多い
私が思うに、なんだかんだ言って「プロットを考えている時間が苦痛でしょうがない」言い換えれば「早く物語を書きたい」というのが、プロットを書かない(書けない)理由として大きいんじゃないでしょうか。
とはいえ、プロットがないからと言ってちゃらんぽらんな物語になるわけでもないし、あるからといってしっかりした物語になるという保証があるわけでもありません。
ただ、経験則で言わせてもらえば「しっかりしたストーリーを書きたい」のであれば、悪いことは言わないから「ある程度の粒度のプロットを書いたほうが楽だよ」と。プロッターになったからといって、しっかりとしたストーリーを書ける、とは言えません。が、プロットを書く時間を我慢できれば、その後が格段に楽になります。プロット構築時間=ストーリーを練る時間ってことでもあるので、必然、ね。
というか、そもそもプロットってちゃんと作るには実はすごく難しいですから、「しっかりしたものを作る!」「完璧なプロットを目指す!」ってのはやるだけ時間の無駄です。多分それなりの訓練受けないとできるようになりませんし、私にもできません。
なので、「自分が後で楽するために書いておく物語のガイドラインをプロットと呼ぶ」――くらいのゆるーい定義で良いと思います。
個人的にはA4用紙1枚に書きなぐるだけでもいいので、まず「本文書き始める前になにかする」のが良いんじゃないかな~なんて思っています。
やったこと無い方は一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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■宣伝
「腰痛剣士と肩凝り魔女」
https://kakuyomu.jp/works/16817330667806787552
本作もプロットありきで書き上げた作品です
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以上でございます。
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