第6話 機械神 マキナ・アルタイル

ギィィィィっとゆっくりと扉が開く。少しずつ光が差し込んでくる。やがてドアが完全に開く。ゆっくりと人影がでてくる。白い肌と髪と羽、青い瞳を持った美しい女性だった。周りの空気は凍りつくほどの気迫が喉を押さえて話させないようにしていたような感じがする。


コツコツっと一歩ずつ俺に近づいてくる...背高くね⁉

(いや何か近づくほどに背が高くなっていってる。これもしかして俺の身長の二倍はあるんじゃねぇかと思うんだけど。)


そう考えているうちに彼女は俺の近くで止まったかと思えばお椀のように手の平を空に掲げる。すると、光の粒が収縮して大きな光の玉になった。それはやがて形を変えて彼女の手にそっと乗った。そして俺に近づいて...


俺にそれを手渡して来た。俺は手渡されたものを見て驚愕した。


(これ...じゃねぇか!)


いや、ホントに。なんなら名刺とか定期とか入れるケースまで付いてるし、スマホは最近防御力の高いと定評のあるアイアン製のスマホだった。


「・・・え?」


困惑した表情の俺に満足したような笑みを見せたかと思えば、役目は終えたと豪速球でドアに直行、ドアは閉まるとともに消失した。


「な、なんだったんだ?あれは」

「なにか板のようなものを受け取っていたような気がするが...」


そりゃそうなんだよなぁ。なんせこの世界にスマホなんてねぇし。にしてもあの女性は何の神だったんだろうか?うちにおいてあった神話には彼女のような容姿の神はいなかったはずだ。


「みっ皆さんつっ次にいきますよ!」


みんな今のことに疑問を持ったまま、儀式は進行していったのだった...

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