第4話 小説を書こうと思った5月1日

 そう、あれはコロナ禍でおウチ時間が長くなり、異世界アニメやWEB小説にどハマリし、片っ端から鑑賞して有名どころを全て見尽くして、惰性で見るだけになっていた今年(23年)の春。 

 UNEXTで新作の異世界アニメを見ていた時の事です。


「ま〜た、このパターンかよ〜! 

 どうせ、チートもらって、ツエーして、ザマーして、最後にハーレムを作るんだろ、くだらん!

 あの名作、SAO、転スラ、無職転生なみの作品をもう一度!」


 と、心の中で叫んだ時です。


 頭の中で、悪魔の囁きが聞こえました。


「フッ、俺の方が上手く書けるさっ!」


 なぜ、このような思考が働いたかというと、実は仕事が暇になったからです。


 転スラのベルドラ口調で言うと、


「もう、暇で、暇で……」


 私は半導体関係の会社に勤めているのですが、コロナ禍でテレワークやおウチ時間の暇つぶし需要が急増して、半導体工場の増産に次ぐ増産で凄く忙しかったのです。

 しかし、コロナ禍が明けた途端、それらの需要が一気に減少して、おまけに半導体の在庫は膨れ上がり、5/1のGWには閑古鳥が鳴き始めました。


 特に趣味を持ってない私にとって、GWの9連休は暇で暇で……。


 えっ、今これを書いている現在?


 多少はマシになりましたが、相変わらず暇です!


 と言う訳で書き始めたのが運の尽き、見るのとヤルのとでは天と地ぼどの差があり、血反吐を吐きながら書く事になってしまいました。

 まあ、血反吐はウソですが、それほど辛い思いをしたという事です。


 では、最初に血反吐を吐いた、いや壁にブチ当たったのは何か?


 ある投稿サイトの1話の最低基準が2000字なんですね。それで、1話目を書き始めたんですが500字しか書けません。

 血反吐を吐いて、なんとか1000字まで書きましたが、まだ半分です。


 アイデアはあるんです。だけど、文章に落とし込めないんです!

 

 悔しくて、再び血反吐を吐いて、なんとかかんとか2000字まで辿り着きました。

 やったーとガッツポーズをしたのも束の間、読み返してみると思い描いていたストーリーが2000字で完結してしまっているではありませんか!

 当然、2話目は書きようがありません。


 後に、これがプロットという物だと知る事になるのですが、この時の文章は、まるで歴史年表。

 順番に出来事が書いてあるだけの無機質な文字の羅列。


 小説家になろうのランキング上位の作品を読んで、俺の方が上手く書けると思っていた自分がおこがましい!

 恥ずかしくて、穴があったら入りたい気分でした。

 そして、文章を書く事が、これ程にも難しいという事を身を持って実感した瞬間でした。


 その後、私は書く事を止めてしまったのです。




 

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