第32話 統一機構
天の川銀河 某所
全長1000m程の航宙パトロール艦が自らの担当している惑星系に派遣していた偵察機に異常が発生したことを探知していた。
識別記号XXXXXX惑星系監視機シグナルロスト。
例の監視対象の未開惑星系に昆虫人が入植を図ろうとしていることは既に把握していることではあるが連中が偵察機を破壊した可能性は低い...連中の技術力では我々の影を掴むことすらできないはずだ。監視対象の未開惑星人が破壊した可能性はさらに低いだろう...連中は昆虫人よりも技術力はさらに劣り宇宙に出ることすらままならないのだ。
警備長は直ぐに上官に報告するが機材の故障と判断され代わりの偵察機の派遣が決定されたのだ。
銀河統一機構としては跳躍技術を持たない文明には不干渉という立場を取っている...
数十年前より外銀河(大小マゼラン雲)よりこの銀河系に侵入を試みる異民国家に対抗するためにこれら未開人を統一機構に加入させ戦力とすべしとする意見が存在しつい最近その方針が可決されそうになったのだが...
その直前、大小マゼラン雲からの異民族国家の侵入が突如として収まった...今まで戦闘以外のコンタクトが存在しなかったあのマゼラン国家との正式な休戦協定が電撃的に結ばれたのは記憶に新しい...
まともに話の通じる相手ではなかったはずの相手からの交渉...もっとも向うから攻撃を仕掛けてきて今度は一方的な休戦要請とは虫が良すぎる話ではある。
連中に何かがあったのは間違いない...政変のたぐいであろうか。
どちらにせよ未開人にとっては不幸な事だろう...もし可決されていれば我々が未開人と昆虫人との間に仲裁に入ることになったのだから。
技術格差から考えて昆虫人が勝利する事は必定。
他の可能性としては未開人が核反応兵器を乱用...あの惑星の環境を破壊しつくし勝利者の存在しない結末と言う可能性も考えられるが...
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