第25話 万物の霊長

アメリカ合衆国ネバダ州 エリア51 




 ティーガーデン惑星系に存在する惑星b及びcで発生した知的生命体は昆虫から進化したと思われるインセクノイドと爬虫類系のレプティリアンであったとされる。ティーガーデンcに生息していた知的生命体はレプティリアンでありそのミイラ化した死体はアメリカ政府によって数体が保管されている。


 それにしても虫も爬虫類も地球に存在している生命体である...俺はてっきり宇宙人と言うのだから地球の生態系や生命とは全く異なるようなものであると思っていたのだが案外どの惑星も似たような生命体が生息しているものなのだろうか?


 (私達の種族は哺乳動物であり人間と大して変わりはないぞ?)


 サラが俺の思考に割り込む形でそう発言する...


 アンドロメダ銀河においての生態系が地球に似通ったものだと言うのは収斂進化という一言で片づけてしまっていいのだろうか?


 (確かに貴様の言う通り、違う銀河の惑星ですら似通ったような生命体が存在するというのは偶然の一言で片づけられない問題かもしれんな...我々と地球人が同じミトコンドリアを有しているというのも偶然では片づけられん問題だろう。)


 アンドロメダ銀河においても種族は違えど知的生命体は酸素で呼吸を行うという点については共通していたという...帝国に関しては不明らしいが。


 まさか俺たちというかこの宇宙に存在する生命体はミトコンドリアに支配されているとかそういうことじゃあないだろうな?...昔やったゲームにそういう題材のものがあった気がする...


 それはともかく、もしそのティーガーデンb文明...つまり昆虫人が地球に攻めてきても大丈夫なんだろうな?


 (安心しろ、万物の霊長たる我々哺乳動物があのような虫けらや蜥蜴のような下等生物に負けるわけが無かろう。)


 なんだその言い方は...宇宙人らしからぬ発言だな。それに諸国同盟にはそういう哺乳類以外の知的生命体もいたんじゃないのか?


 (存在はしたが足手まといのような連中だったよ...結局反帝国諸国同盟など烏合の衆だったということだ。)


 まあ、どこの世界においても差別区別は存在すると言う事か...高度に進んだ宇宙の文明が聖人君子であるなんて言うのは一部の地球人の希望的観測だったというわけだ。


 この宇宙は弱肉強食...宇宙進出という選択を行った文明は否が応でも闘争に身を投じることになるとのことだ。


 地球の技術レベル向上は急務と言えるだろう...その為の汎用人工知能であり開発が完了すればAIに開発を支援させ加速度的に技術は進歩するだろうとのことだ。


 (私に任せておけ、それより今日の仕事が終わったらまた映画を見せてくれないか?)


 はいはい、分かったよ...と言いたいところだが今日は無理だ。仕事終わりにトレーニングに誘われてしまったからな。


 (トレーニング?ああ、中尉にか。貴様も大変だな。まあそれなら仕方がない...体を共有してる以上私にも関係のあることだ...健康は大切だからな。)


 しかし今まで運動を疎かにしてきた俺に現役軍人とのトレーニングはちょっとハードかもしれないな...

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