第22話 エリア51

アメリカ合衆国ネバダ州 エリア51


 俺たちが連れてこられたこの施設...通称エリア51はその存在こそ昔から知られていたものの公式に認められたのは10年ほど前である。


 この基地の噂、都市伝説に関しては今更説明をする必要もないほど有名なものであると言えるだろう。あの有名な独立記念日の映画にも登場したこの基地には、かつてニューメキシコ州ロズウェル付近に墜落したとされるUFOが極秘裏に運び込まれているというゴシップはもはや知らない人はいないと言えるほどの都市伝説と化している...


 だから俺もラスベガスに滞在を指示された時に一瞬ではあるがこの基地の事が頭に過った...そして本当にこの施設に連れてこられるとはあまりにも映画のような出来事である。


 まさかアメリカ政府は本当にロズウェルで宇宙人の円盤を回収したとでも言うのだろうか?


 いや、既に宇宙に文明が存在すると言う事が判明している以上まんざらあり得ない事でもないか...少なくともアンドロメダ銀河の宇宙人に取りつかれるよりは現実的な事なのかもしれない。


 段々と感覚がマヒしてきた...たとえこの基地でエイリアンのホルマリン漬けを見せられようとも驚かないだろう。


 俺をここまで連れてきたNSAの局員か捜査官だかの男...名前はトム・ギブソンと名乗っていた、偽名かもしれないが。...とにかくそのトム・ギブソンに連れられ俺たちはこのエリア51の地下5階で再びの待機を命じられていたのだ。


 エリア51の地下施設は12階まで存在しており最下層に存在する施設については大統領にさえ知らされていないTopSecret...最高機密だという。


 その後ヨハンナはそのまま5階に待機を指示され、俺だけが12階に向かうよう促されたのだ。


 俺を先導するいかにも研究者風の白衣の白人男性は頭を掻きむしりながら俺に12階に存在するそれについて説明を始めたのだった。どうやら既に彼はテレパシーの存在の報告を受けているようで驚きは見せたものの俺の能力をすんなりと受け入れたようであった。


 (このエリア51は地下12階に存在する遺跡とでもいいましょうか...それらを研究するため作られた施設と言ってもいいでしょう。)


 (遺跡...?)


 (ええ、まあ見てもらったほうが早いでしょう。この遺跡が発見されたの1938年...)



 エリア51の地下12階...そこは広大な地下空間が広がっていた。もし言われなければそこが地下だと認識することが難しいほど広大に思えたのだ。



 その空間には様々な機材が所狭しと置かれておりなにかを研究しているらしいという様子が俺にはうかがい知れたのである。



 問題はそこに置かれていた物である...無論地球製の機材ではないあの大型の謎の物体...


その空間に大きさ500mを超える謎の物体が鎮座していたのである...素人目にはあれが何なのかよくわからないのだがサラには瞬時に正体が分かったようであった。


 (なるほど、アレは宇宙船だな。それも恐らく戦闘用の駆逐艦か巡洋艦クラスのものだろう。)


 (なんとなくそんな気はしていたよ。...まさかあれは帝国の艦艇か?)


 (いや、帝国でも諸国同盟所属の艦艇でもない、というよりアンドロメダ銀河の文明の物ではないな。)


 (見ただけで分かるものなのか?)


 (詳しくは中身を見てみなければというところだがな、私は帝国と諸国同盟の艦艇をほぼ記憶しているがあのタイプは見た事が無いと言う事だ。)


 (つまりあれは昔地球に来訪した天の川銀河由来の文明の可能性が高いって事か?)


 (今の段階では何とも言えん。とにかく体を貸してくれ...解析に取り掛かる。恐らくアメリカ政府もそれを望んだからこそ私をここに連れてきたのだろう。)


 

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