第14話 ファースト・コンタクト

一週間後...アメリカ、メリーランド州 アメリカ国家安全保障局(NSA)本部




 在日米軍兼第5空軍司令から上がってきた情報、例のメモリーカードの影響でアメリカ国家安全保障局(以下NSA)は喧騒に包まれていた。




 「既に日本国内の例の人物を偵察局(NRO)が衛星で24時間監視していますが特に目立った動きを見せていません、盗聴もさせてはいますが同様です。」




 職員からその報告を受けたアルバート・ヘイヴンNSA高官は気難しそうな表情のまま眼鏡の位置を調節し再び資料に目を通す。




 例の件について半信半疑であったが、我々が80年以上解析を続け未だにその原理の10%すら解明できていない重力制御に関する理論データを出されたのであれば信じる他にない。




 このデータだけではない、上がってきた情報全てを信じるのであれば、生存している地球外の知的生命体とのファーストコンタクトと言うことになる。




 どうやら今回現れた地球外生命体は我々が把握しているそれとは異なる文明出身のようだ...まだ直接聴取したわけではないので詳細は不明だが。




 「で、報告通りなら彼の方から我々に接触をしたがっているということだが...」




 「ええ、そうです。彼はどうやら我々と接触するため在日米軍の軍人に最初に接触。ヨハンナ・ファーナビー空軍中尉を経由してここまで...当然の事ながら彼女もこの件に関しての情報を既に保有しているとの事です。」




 「ならばそろそろ彼らを迎えに行かなくてはな、少々我々は時間をかけすぎた。」




 この情報が他国に渡っている危険性は低いとは思うが...第三国に万が一にでも漏洩するのは安全保障上の驚異であろう。




 特に日本はスパイ天国と呼ばれるほど各国の諜報員が跋扈している...無論我々も少なからずそうしてはいるが。




 既におおよその事態を把握している空軍中尉も出頭してもらうことになるだろう。




 「では2人の身柄を確保します。」




 「確保ではなく保護だよ、何せ彼は私達の大切な客人ではないか。」




 


 そろそろクリスマスが近づいていたな...果たして今回の件は我々にとって最高のクリスマスプレゼントになるか


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