第7話 The Stars and Stripes

日本 アパートの一室




 (なに、私がいれば大丈夫だ。ではまず貴様の体を貸してくれ。)




 ....へ?体を貸す?それってまさか。




 (貴様の考えているような変な意味ではない。それに昨夜既に貴様の体を一度無断ではあるが使用させてもらったのでな。)




 おいおい、事後報告は勘弁してくれよ。俺の会社のクソ上司ならキレ散らかしているところだぞ全く。というかあのスマホの検索履歴はあれか、サラが情報を収集していた履歴が残っていたという事か。......まさかあんた俺の体を乗っ取ろうとしてないか?




 (乗っ取るという表現は正しくはない。共存しているのだ。既に貴様と私は一蓮托生、覚悟を決めてもらおう...私も貴様と友好的な関係を築くつもりなのだよ。)




 この態度でそんなつもりがあったとは驚きだ。




 (まあ、同意が無くても貴様が寝ているときであれば私は貴様の体を動かすことが出来るのでな。本来なら別に貴様の同意など必要はない。)




 それは脅しと言うんじゃないんですかねぇ...というよりこれ俺に選択権はないな。




 (分かればよろしい。段々と理解力が向上してきたように思えるな。やはり地球人には期待が持てそうだ。)






 ....で、あんたの計画とやらの詳細くらいは教えてくれよ。俺にも知る権利があるだろう?




 (いいだろう、まずブラックホールエンジンの基礎理論を地球人に伝えるための資料作成を行いたい。どうやら既にこの概念自体は地球でも存在するようなので、私が協力すれば問題なく地球でも製造が可能であろう。)




 ああ、なるほど。




 (その後は、然るべき資金力、人員、設備を用意できる存在に協力を仰ぐ形になる。いや私が彼らに協力するというほうが正しいな。)




 おぉ、意外にもまともそうな方法で助かった。証拠が無ければ誰もこんな与太話信じないだろうからな。まあそりゃあそうか...いきなり俺が宇宙人と交信しましたなどと言っても誰も相手にしないどころかやばい奴認定されるのがオチだ...で誰に協力を要請するんだ?






 (昨夜収集した情報を元に合理的に判断した結果、アメリカ合衆国に要請するのが一番効率的かつ合理的であろう。)




 もう話のスケールが大きすぎて驚かないよ僕チンは...まあ確かにそんな大それた計画を実行に移すなら国家規模の協力は不可欠...この地球上の国家で考えればアメリカになるのは必然か...大正義アメリカ様だ。




 


 しかしアメリカと接触するったって簡単に言うがどうしろって言うんだ?まあ証拠さえあればなんとかなる....のか?




 


 (既に方法は考えてある。私がアメリカ国防総省をハッキングしてわざとその証拠を残す...後は向こうからこちらに出向いてきてくれるだろう。)






 ?????????????????????




 はぁ!?




 やべぇよ、やべぇよこの馬鹿。




 今なんて言ったこのクソ宇宙人女?




 おいおいおい勘弁してくれ、一瞬でもこいつの計画をまともだと思った俺が馬鹿だった。






 (何か問題があるのか?この方法が恐らく確実かつ最速で彼等と接触できる方法だと思うが。)




 そういう問題ではない。ヘタしたら俺たちCIAとかなんとかとかそういうやばい組織につかまって恐ろしいことになるぞ!?




 (問題はない、たとえ拷問されたとしても私には苦痛は共有されないので貴様が少し我慢すればいいだけだ。彼等も私達が有用と判断すれば悪いようには扱わないはずだ。)






 いやいやいや何自分勝手なことを言ってくれちゃってるのコイツ?




 頼む、お願いだからそのプランはなしで、プランBで行こう。




 (仕方あるまい。そこまで拒否するなら私も先ほど友好的な関係を築いていこうと言ったばかりであるわけだからな...今回は貴様のワガママを聞いてやろう。それに地球での経験だけは貴様が上なのは認めなくてはならないのだからな。代案を一緒に考えてもらおうか。)




 いや、何俺が悪いみたいな感じになってるの?なに寛大な感じを出してるのコイツ?






 しかしこれは困った、本気で考えなければ俺の平穏な生活が...


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