第6話 反帝国諸国同盟艦隊敗走

登場兵器




反帝国諸国同盟標準艦(戦艦・巡洋艦・駆逐艦)


 


 反帝国諸国同盟は戦争初期において各国が独自に開発した艦艇を運用していたが、戦況悪化に伴いようやく同盟間での規格統一に動き出し部品や生産ラインの統一を行った結果生まれたのがこの艦艇群である。動力源はモノポール反応炉で統一されている他、時空間歪曲型空間跳躍システムが搭載されている。しかし各国が独自に開発した先端技術は全く搭載されておらず帝国が保有する艦艇に対しては性能面で劣っている。これは各国が敗戦濃厚に傾きかけてなお、自らの最先端技術を同盟内に公開共有を拒んだためである。最もこの艦艇群は量産性を最優先にする計画の元建造された艦艇群であるため、仮に技術が共有されていたところで結果は同じであったのかもしれない。武装量は艦艇のカテゴリーによって異なるが主砲には口径の異なる大口径レーザー砲。迎撃用途の小口径レーザーとミサイル各種。防御システムにはエネルギーシールドを装備している。なお諸国同盟軍には空母と呼ばれる艦載機搭載に特化した艦船は存在せず各艦に小型機を運用できる機能が分散して搭載されている。


 


 帝国軍汎用巡洋艦




 アンドロメダ銀河を圧巻するほどの規模を持った帝国軍で最も普及しているタイプの艦艇。しかしその技術は謎に包まれており反帝国諸国同盟はその技術の殆どを把握できていないのが現状である。動力炉はバイオオーガニック・ドライヴと言う生体エネルギーを利用するものとされるがその技術体系は諸国同盟とは全く異なるものであり、ついに終戦までその原理の殆どを諸国同盟が解明することは出来なかった。判明していることと言えばこのドライヴを稼働させるためには知的生命体の生命を必要とすることであり、帝国に敗れた種族はこのエネルギー炉の燃料として消費されるという事だけである。武装は原理不明の指向性エネルギー兵器とミサイル各種。防御システムにはこれまた諸国同盟が装備している物とは原理が異なると思われるエネルギーシールドを装備、攻撃力防御力共に反帝国諸国同盟標準艦を凌駕している。




アンドロメダ銀河 外縁部




 数百もの諸国同盟所属艦艇がアンドロメダ銀河を脱出せんと全速力で航行していた。このような逃避行を行う理由は、帝国が開発した時空間歪曲型空間跳躍妨害装置の影響の為である。この残存した諸国同盟艦艇群はワープシステムが使用不能であり己の艦艇の推進のみの古典的な方法での逃避行を余儀なくされていた。




 この逃避行艦隊には軍艦のみならず元々は移民船であった全長7kmにも及ぶ避難民を乗せた民間船も含まれるのであった。




 とにかく妨害装置の影響の外まで全速力で逃走を続けていたのである。影響外まで逃げられれば跳躍システムを用いて新天地に移民することが可能かもしれないという淡い希望を抱いて...






 しかしそれを叶わない儚い夢物語であった。この妨害装置はあくまで時空間歪曲型跳躍を妨害するものでありワープと呼称される空間跳躍全ての技術を妨害でするものではないのだ。そして帝国は諸国同盟とは異なる方式のワープ、空間跳躍技術を実用化しているのだった...




 つまり諸国同盟は跳躍を行えないが帝国はそれを行えるのである。もっともその帝国と諸国同盟が開発した跳躍システムでワープできる距離には制限がありいきなり隣の銀河に跳躍などという超長距離ワープなどはワームホールを用いない限り不可能ではあるのだが...




 逃避行艦隊の正面に時空間の歪みが観測される...それは帝国の追撃艦隊がワープアウトしたという事であったのだ。




 


 帝国の追撃艦隊の総数は50隻ほど...逃避行艦隊の5分の1以下であったのだが...




 ワープアウト直後直ぐに戦闘が始まる...諸国同盟所属の艦艇が移民船の盾になるように展開し搭載されている大口径高出力レーザー砲を斉射する...






 しかしそのレーザーは帝国の汎用巡洋艦のエネルギーシールドに阻まれてしまう...これは本来ありえないことであった。




 レーザーは可視光線である。諸国同盟が装備しているエネルギーシールドはスペースデブリや隕石などの実体のある物質を防ぐための物でありエネルギー兵器には対応していない...しかし帝国のそれは原理は不明なれど諸国同盟のレーザーを防ぐことが可能なのであった。




 逃避行艦隊の攻撃は全て防がれ今度は帝国からの攻撃が艦隊に降り注ぐ...




 帝国艦艇の性能は諸国同盟標準艦の全てを凌駕しておりその攻撃により戦艦や移民船は瞬く間に撃沈されたのであった。全てが戦闘艦であったわけではないが数百もの艦船がものの数分で壊滅したのである。


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