第4話 銀河の危機
銀河の危機?計画?
俺の脳内は混乱していた、俺が宇宙的恐怖に触れ、SAN値がオーバーフローしたのでなければこの宇宙人様...いや思念生命体様は俺になにか手伝わせたいらしい。
仕方あるまい...今はこいつの話を聞くしかないか。というより思念生命体では言いにくくて仕方がない。いや、まあ言う必要はないのか...それにしてもあんた個人の名前はないのか?
(サラと呼んでくれていい。)
随分と地球的な名前なことで...
(名などはどうでもよい。それよりも私の計画についてだ。)
ああ、なら聞くだけは聞いてやろう。その計画とやらを
(ようやく本題に入れそうだな。ではまず私達の故郷、アンドロメダ銀河の現状について簡単に説明しよう。)
地球、太陽系が属している天の川銀河より約250万光年離れたお隣、アンドロメダ銀河は直径22万光年。天の川銀河よりも遥かに大きい銀河である。
サラ曰く、アンドロメダ銀河には多種多様の知的生命体が存在しており恒星間航行を行えるほどの文明が複数存在していたらしい。
しかしある時、銀河に覇を唱え、銀河統一を旗印に掲げる帝国が誕生。その圧倒的な勢力、技術力でアンドロメダ銀河を圧巻した。
その他の文明は反帝国諸国同盟を結成。帝国への反抗を行っていたのだが焼け石に水であった。
帝国の勢力はもちろんだが諸国同盟にも問題があった...同盟と言えど烏合の衆であったのだ、お互いが自らの技術を公表、共有することはしなかったのである。
足並みのそろわない諸国は帝国に対して敗走を重ね、徐々に一国一国と同盟を脱落していった。
サラの母星、母国は最後まで帝国に対して反抗を続けていたがそれも最後の時を迎える。
ついに母星まで帝国の魔の手が迫る直前、彼らの指導者たちは主に3つの派閥に分かれていた。一つは帝国に対して無条件降伏を考える派閥。そして徹底抗戦を唱えるサラたちの派閥...そしてもう一つの派閥である。
無条件降伏派については説明する必要はないであろう。サラたちが属していた派閥は帝国に対して徹底抗戦を唱え彼らに対抗できる兵器を開発していた。その研究をサラが主導していたというのだ。
ブラックホールエンジン...縮退炉と呼ばれる動力源を搭載した新型のBattleshipが建造されていたのだが完成間際で母星が陥落。技術流出を防ぐため戦わずして新型艦は処分されたという。
そしてもう一つの派閥は帝国に対して違うスタンスで対処しようとしていたのだ。
...それは自らの体、実体を捨て思念体へと進化しようしたのだ。
研究はブラックホールエンジンよりも難航...数多の人体実験を、それも非人道的なものであったらしい...しかしそれでも彼らはそれを完成させた。
だがそれも遅きに失した。もう少し早くこの技術が完成し皆が思念体となれば帝国は彼等に対して指一つ触れることは出来ない。しかし完成直後に母星は陥落した...
思念昇華と呼ばれるこの技術は実体があった頃のサラの夫に当たる人物が研究を主導していたらしい。そして自らの妻を帝国に堕とすことを恐れ、そして何より自らの母星、母国の無念を晴らすため自らの妻を思念生命体へと進化させた。その過程で今までの人体実験の被験者たちの意識も混ざりあったのは想定外であったらしい。
思念体とかしたサラは母星を飛び出しワームホールを通過、この天の川銀河にある太陽系、地球へとたどり着いたのである...
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