其ノ十 したがひのつま
お
誰か、誰か私の燃え盛る感情の炎を消し止めて、私を昔の様な悩み無き、
お六は頭ではその様に思っていても、感情の波に呑み込まれた自分の肉体をどうする事も出来ず、手元に有ったありとあらゆる物、むせ返る様な匂いを放ちながら床に散らばる
嘆きわび空に乱るるわが
床に散らばった源氏物語の
明日に続く
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